ページが見つかりませんでした – クライミングライフ https://climbing-life.com 登ることを楽しむためのWebマガジン Sat, 26 Dec 2020 20:44:39 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.4.3 トポは無料の時代へ!?『日本100岩場』がネット公開に! https://climbing-life.com/201710172438/ https://climbing-life.com/201710172438/#respond Tue, 17 Oct 2017 04:43:28 +0000 https://climbing-life.com/?p=2438 日本全国の主要な岩場のクライミングルート図をまとめたガイドブック『日本100岩場』の内容が、ネット上で無料公開されることになりました。]]>
日本全国の主要な岩場のクライミングルート図をまとめたガイドブック『日本100岩場』の内容が、ネット上で無料公開されることになりました。

ロッククライミングに欠かせない「トポ」とは?

岩場でのクライミング、ボルダリング(ロッククライミング)に欠かせないのが、岩場のルート図を集めたガイドブックです。クライミングのガイドブックは、通称「トポ」と呼ばれています。

トポには、岩場へのアクセス方法(場所、駐車場など)をはじめ、その岩のどのラインがなんというルート(課題)なのか、ルートのグレード、その他、ルートについての注意点やコメントなど書かれています。

さらに、岩場にはその岩場ごとのローカルルーやマナー、利用上の注意事項などがありますが、そういった情報も基本的にはトポに書かれています。したがって、外の岩場でクライミングをしようと思ったら、まずトポを入手し、確認するのが最初にすべききとになります。

国内トポの代表『日本100岩場』が無料公開に!

国内で販売されているもっとも有名なトポは、『日本100岩場』(北山真編、山と渓谷社)全5巻です。同書は
「北海道・東北」
「関東」
「伊豆・甲信」
「東海・関西」
「中国・四国・九州」
のエリアごとの各巻に分かれており、日本全国の主要な岩場のルート図を掲載しています。

同書はこれまで1冊2,000円前後、アマゾンのkindle版でも864円~で販売されていました(最後に書くように、kindle unlimitedでの無料公開もあります)。ところが、この10月11日から、同書の出版元である山と渓谷社が運営するWebサイト「CLIMBING-net」で無料公開されることになったのです。

CLIMBING-net

利用には「CLIMBING-net」への会員登録が必要ですが、メールアドレスがあれば簡単に登録できます。ぜひ登録することをおすすめします。

「岩場情報のみ公開」から、「全ルート図公開」に。

同書の出版元である山と渓谷社が運営するWebサイト「CLIMBING-net」内では、もともと『日本100岩場』所収の情報をそのまま使って、岩場の場所や概要などの情報を掲載していました。しかし、肝心のルート図は非掲載でした。これは、同社の商品は本なので「ルート図を見たい人は本を買ってください」ということだったのでしょう。

ところが今後は、ルート図もすべて無料で公開されることになったのです。つまり、本の販売によって利益を得るモデルから、サイトへのアクセスを増やして広告その他で利益を得るモデルへと、ビジネスモデルを転換していこう、ということでしょう。なかなかの英断だと評価できます。

なお、紙の本も併売されるようですので、頻繁に岩場に行く人は、それを買うのもいいでしょう。紙の本には記録を書き込めたり、どこでも使えるという良さがあります。

新しいトポを買うと、わくわくしたものです。

“ロック”クライミングの活性化につながることを期待

同社のビジネス戦略はさておき、多くのクライマー、とりわけこれから外岩での“ロック”クライミングをはじめるクライマーにとっては、非常に嬉しいことです。また、たとえば関東圏に住んでいるクライマーが、九州に旅行に行くので、ついでにちょっとだけクライミングもしたい、というような際に、そのために高いトポを買うのはもったいない話でした。そういう場合にも、トポが無料で入手できるのはとても助かります。

ちなみに、「CLIMBING-net」に掲載されているのは、当然ながら現在利用できる岩場のみです。アクセス問題等によって利用禁止・自粛になった岩場の情報は掲載されていません。

近年、オリンピック効果によってジムでのクライミング、ボルダリングは盛況を見せていますが、その割に“ロッククライミング”、とくにルートクライミングはあまり愛好者が増えていないようです。今回、日本を代表するトポの無料公開化によって、ロッククライミングの拡大につながると良いと思います。

Webサイトの操作性、見やすさは改善してほしい

『日本100岩場』の無料公開化は基本的には素晴らしい英断だと思いますが、「Climbing-net」の日本100岩場のサイトは、とても操作性が悪い作りなのには閉口します。使ってみればわかると思いますが、岩場の一覧性が悪く、逆に調べたい岩場をピンポイントで指定することも難しい、変な検索システムで、とても使いにくいサイトになっています。これはぜひ改善していただきたいものです。

また、ルート図ページに入ると、レイアウトが整理されておらず「とりあえず画像を並べました」的な感じで置かれているだけなので、とくにスマホでの閲覧では、使いにくいページになっています。できれば、見せ方についても、おいおい改善してもらいたいところです。

なお、岩場の状況はどんどん変化します。岩場に行く前に、最新の岩場情報、注意事項などについては、日本フリークライミング協会(JFA)のWebサイトなどで確認してください。

見やすさなら、kindle unlimited版がいい

ちなみに、『日本100岩場』全5巻のうち、「関東」「伊豆・甲信」の2巻については、アマゾンのkindle unlimited(定額読み放題)にラインナップされています。私はkindle unlimitedを利用しているので、両書については、スマホにダウンロードして利用しています。

こちらは、紙の本の誌面をそのままPDFファイルにしたもので、スワイプでの拡大は必要ですが、見やすさという点では、「Climbing-net」よりも優れています。また、ネット環境がない(電波が入らない)ところでも使えるので、kindle unlimitedを利用している人には、こちらの方をおすすめします。

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クライミング後の指の痛みはフィンガーローラーでケア https://climbing-life.com/201710122398/ https://climbing-life.com/201710122398/#respond Thu, 12 Oct 2017 04:24:14 +0000 https://climbing-life.com/?p=2398 指を効果的にマッサージするための器具がフィンガーローラーです。一度使うと、その気持ちよさで手放せなくなります。 クライマーの指マッサージにはフィンガーローラー クライマーはつねに指を酷使しています。外岩で激カチの出てくる […]]]>
指を効果的にマッサージするための器具がフィンガーローラーです。一度使うと、その気持ちよさで手放せなくなります。

クライマーの指マッサージにはフィンガーローラー

クライマーはつねに指を酷使しています。外岩で激カチの出てくる課題はもちろんですが、ジムのボルダリングでガバばかりの課題だって指は疲れるし、こわばってきます。スローパーが案外と指を消耗するんですよね。

指の皮膚をケアするためのクリームについては以前紹介しましたが、今回は指の「腱」や「靱帯」「関節」などのケアをするためのマッサージ用具をご紹介します。

フィンガーローラー。なかなか美しい形だと思います。

これは「フィンガーローラー」と呼ばれる、小さいトングのような形の本体に、ゴムのローラーがついた器具です。本体をつまんで指を挟み、前後に動かすことで関節をマッサージできます。

フィンガーローラーにもいろいろな製品がありますが、私の一推しは、満天社の「ユビラックスゲルマ」です。

アマゾンで972円(17年10月現在)というのは、製品の作りに比べるとやや高いようにも思えますが、その値段に見合う価値があると断言できます。(ただ、ゲルマニウムの効果についてはよくわかりません)。

ローラーの形状、堅さに秘密が

ぱっと見では、「自分の指でマッサージしても同じじゃない?」「使う意味があるの?」と思えるかもしれません。

ところが、フィンガーローラーでコロコロするのと、自分の指でマッサージするのとでは、感覚はまったく違います。フィンガーローラーのローラー部分を見るとわかりますが、幅の細い山が3本連なる形になっています。この細い山の部分、とくに真ん中の山が、(表現は少し変ですが)ピンポイントで指に食い込むような形になります。そのため、指でマッサージするのに比べて、効果的にコリをほぐすことができるのです。

山になっているので指に食い込むのが気持ちよさの秘密か

さらに、このローラーは、適度な柔らかさを持つゴムになっているため、刺激が強すぎることなく、とても快適な使い心地です。

ローラー部は適度な堅さのゴム製

クライミング、ボルダリングの直後、あるいは、お風呂上がりなどにコロコロしておくだけで、翌日に残る指の疲れがだいぶ軽減します。

激しい痛みがある状態などでは、マッサージは逆効果になりますので、そういう場合は使用しないでください。

フィンガーローラーを使うコツ

使い方は簡単なので、迷うようなことはないでしょうが、ちょっとしたコツがあります。それは、持ち手を強く握り過ぎないこと。写真でもわかるように、器具のローラー自体が指の幅より閉じているので、ローラーに指を入れれば、自然に軽く挟む力がかかります。それ以上に、自分の手で、ぎゅーっと挟み付けるのはNGです。

器具を持っている方の手では挟む力は入れず、軽く保持するだけで、数回コロコロすれば十分なマッサージ効果があります。運動した直後に、負荷がかかった部位にあまり強いマッサージをするのはかえってよくないと言われているので、力を入れすぎないように注意しましょう。

ちなみに、本来の使い方とはちょっと違うのかもしれませんが、指の付け根と付け根の間をマッサージすることにも使えます。仕事などで長時間手先を使う作業を続けると手の平が疲れますが、そういうときに親指と人差し指の付け根の間(いわゆる「合谷」のツボ)をマッサージすると、ちょー気持ちいいですよ。

パソコン作業を続けるとこってくる合谷のツボをマッサージ

100均のものはやめておいた方がいい

ところで、「フィンガーローラー」というのは、指をマッサージするためのローラーがついた器具の一般的な名称であり、特定の商品を指す固有名詞ではありません。フィンガーローラーにはさまざまな商品が発売されており、100均でも売っています。

私は100均好きで、ダイソーもキャンドゥもセリアも愛用していますが、フィンガーローラーについては、100均のものはやめておいた方がいいようです。100均の商品と、上記の「ユビラックスゲルマ」とでは、使い心地に天と地ほどの差があります(私が買ったものだけかもしれませんが)。

下は100均で買ったもの。

なにがダメかというと、100均ローラーは、ローラー部の素材が硬質プラスチックであり、かつ形状が平面なので、まったく指に食い込みません。ただ挟むだけです。しかも、素材が悪いのか、精度が悪いのか、ローラーの回転がとても渋い(回りにくい)のです。使っていると悲しくなってきます。

ユビラックスゲルマみたいに気持ちよくないぞ><

「ユビラックスゲルマ」が高いと言っても、1000円もしない値段ですし、壊れる可能性もほとんどありませんから、長期間使えます。ここはぜひ、数百円をケチらず、良いものを買っておくことをおすすめします。

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池袋ではボルダリングジムの壁にまでふくろうがいる https://climbing-life.com/201709252366/ https://climbing-life.com/201709252366/#respond Mon, 25 Sep 2017 08:32:44 +0000 https://climbing-life.com/?p=2366 池袋のある豊島区は「ふくろう推し」。ボルダリングジムの壁にまで生息する(?)ふくろうたちを紹介します。]]>
池袋のある豊島区は「ふくろう推し」。ボルダリングジムの壁にまで生息する(?)ふくろうたちを紹介します。

渋谷にハチ公、池袋にいけふくろう、だが…

渋谷駅に「ハチ公」があるように、池袋駅には「いけふくろう」があります。池袋駅のランドマークとしてご存知の方は知っていますし、ご存じない方は知らないでしょう(当たり前)。

調べてみると、「いけふくろう」が作られたのは1987年で、最初から待ち合わせの目印のためとして設置されたとのこと。つまり、渋谷のハチ公にあるようなバックストーリーや歴史的な背景があったわけではないようです。

要するに、ダジャレですか?

ではどうして「ふくろう」なのでしょうか?

いけふくろうの彫像のところには、「池袋の由来」という地名の由来書きがあり、その最後には次のように記されています。

おなじみ(?)いけふくろう。うしろになにやら書いてある。

 

「その地名にあやかり、ここに「ふくろう」の石像を設置しました」。つまり、ダジャレですよね。。

 

ランドマークの素材としてふくろうが選ばれたのは、池袋の「袋=ふくろ」にあやかって、と書かれています。これは「ふくろ」と「ふくろう」をかけた言葉遊びというか、要は“ダジャレ”ですよね。当時の豊島区役所地域振興課長あたりが考えたのでしょうか?

いずれにしても、池袋とふくろうの関係はだじゃれで始まったようですが、現在の豊島区のWebサイトにはこう書かれています。

ふくろうとつながりの深い豊島区。区内には、ふくろうのオブジェなどがあちらこちらに点在し、ふくろうやみみずくに関する資料館もあります。
豊島区ホームページより)

まるで池袋とふくろうの間に、昔からの歴史的、民俗的由来があるかのような書き方ですが、このページをよく読むと、区の形がふくろうに似ている(!)とか、昔はふくろうがいたとか(昔はそこら辺にどこでもたでしょう)、かなり無理矢理感があります。

継続は力、なのか

ぶっちゃけ、そのような理由は後付けで、ダジャレではじまった「いけふくろう」をきっかけに、ふくろうが街のイメージアップのためのパブリックアートと使われているというのが本当のところだと推測されます。

ちなみに、いけふくろうが設置された当時はまだ「ゆるキャラ」という概念が存在していませんでしたが、いまだったら間違いなくゆるキャラとしてふくろうのキャラが設定されていたでしょう。(みうらじゅんさんが「ゆるキャラ」という概念の発案したのは2000年だそうです。)

追記:記事を書いた後で知りましたが、「としま ななまる」という「ふくろうの姿かたちをした謎の生き物」が、2002年に豊島区PRキャラクターになっているそうです。もっとも、これはふくろうではなくて、ふくろうに似ている謎の生き物ですが。

このように、かなり無理矢理感がある豊島区とふくろうのつながりですが、それでも区をあげて、パブリックアートとして「ふくろう推し」をして、街のあちこちにふくろうオブジェを設置したことが功を奏して、池袋=ふくろうというイメージも、少しは定着しているかもしれません。ダジャレからはじまったのに、いまや立派な街のシンボルになってしまったテキトーさも、悪くありません。継続は力、ですね。

東池袋のシンボル、アウルタワーの守護神

先日紹介記事を書いた「コナミスポーツクラブ池袋」は、地下鉄有楽町線「東池袋」駅から地下通路を通じて行けますが、この地下通路は「アウルタワー」という52階のタワーマンションの地下を通り抜けます。

「アウル:owl」は英語でふくろうのことなので、「ふくろうタワー」ということです。もちろん、タワーの玄関を守る守護神はふくろう。しかし、守護神は、ナンバーワンふくろいうというわけではありませんでした。

アウルタワーの玄関脇で来訪者を見張るふくろう。おそらくタワーの守護神なのでしょう。
ふくろう像 その23号(!)です

東池袋の薄暗い地下にひっそり生息するふくろうたち

タワーの地下通路には、多くのふくろうが生息しています。この通路は休日の夜などあまり人通りがなく閑散としており、しかも薄暗くなります。その中で、密集するふくろうたちの大きな目にじっと見られながら歩くのは、ちょっと不気味な感じもあります。子どもだったら肝試しレベルではないでしょうか?

夜には薄暗くなる通路を、たくさんの大きな目で見張られながら通り抜けます。子どもが夜に通ったら恐怖を感じるレベルかも。
なぜか、地下には同じ種らしいふくろうが2羽ずつ立っています。夫婦なのか、親子なのか。
左の方は笑っているようにも見え、ちょっとユーモラスな雰囲気もありますね。私は好きです。

 そして、ボルダリング壁にも…

多くのふくろうたちに見送られながら通路を抜けてサンシャインシティに入り、コナミスポーツクラブ池袋に到着。

やれやれ、と思ってボルダリングをすると……、そのボルダリング壁にもフクロウががが!

どこにいるか、わかりますか?

 

ここでした!課題のゴールにもなっています。

さすが池袋、と言わざるをえません。

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コナミスポーツクラブ池袋で登ってみた!スポーツジムでボルダリング https://climbing-life.com/201709152259/ https://climbing-life.com/201709152259/#respond Fri, 15 Sep 2017 09:07:44 +0000 https://climbing-life.com/?p=2259 東池袋にある「コナミスポーツクラブ池袋」のボルダリングジムに行ってきました。ボルダリング初心者の方に、また体を動かすのが好きで他のトレーニングもしてみたい方にもおすすめのジムです。]]>
東池袋にある「コナミスポーツクラブ池袋」のボルダリングジムに行ってきました。ボルダリング初心者の方に、また体を動かすのが好きで他のトレーニングもしてみたい方にもおすすめのジムです。

スポーツクラブ最大手が、ボルダリングジム業界に殴り込み!?

コナミスポーツクラブは、その名の通りスポーツクラブ(フィットネスクラブ)で、全国に約180店舗を展開している業界最大手企業です。その大手スポーツクラブが満を持してクライミング業界に殴り込み!かどうかは知りませんが、とにかく2017年の3月に、池袋店にはじめてボルダリング施設を設置しました。

クライミングを楽しむ人が増えているので、今後はこういったこれまでのクライミング業界の外からのボルダリングジムへの参入が増えてきそうですね。これまでのボルダリングジムの発想にとらわれない、いろいろなジムができるのは1ユーザーとして歓迎です。

今回は、このコナミスポーツクラブのボルダリング壁で登ってきました。

ボルダリングフロアは、スポーツジムの一部に設置

受付(受付や料金システムなどについては、あとで詳しく説明します)を済ませたあと、更衣室で着替え、クライミングシューズと液体チョーク、スマホ、タオルなどを入れたバッグを持って、トレーニングマシンがたくさん並んだスポーツジムフロアに。フロアの一番奥にボルダリングエリアがあります。低めの壁で仕切られていますが、壁自体はスポーツジムの方からも見えます。なお、外履きは受付で脱いでいますので、館内ではスリッパを履いています。

壁の幅は、15mくらいでしょうか? スラブから垂壁、薄かぶりまであります。一番奥のかぶった壁でも、たぶん傾斜は120度くらいで、いわゆる「どっかぶり」壁やルーフの壁はありません。スポーツクラブの一部ということからも、どちらかといえば初心者向けを意識した壁設計なのかもしれません。

壁の高さはけっこうあります。幅は手前から奥までで、15~16mくらいでしょうか?

課題はスタンダードな感じが中心

設置ホールドはやはり老舗ジムと比べると少なめです。とくにハリボテや巨大ホールドはわずかで、中くらいまでのサイズのホールドがほとんどです。課題はテープで設定され、中級(5~6級)、次に初級が多く、上級の課題数は少なくなります。

課題の内容は、私が触った限り(2級まで)では、オーソドックスでスタンダードな感じのタイプがほとんどでした。ランジ課題はありましたが、横にぱっと飛びついたりするコーディネーション系の課題は、ほとんど無いようです。そして、グレーディングは全体的にやや甘めのようです。といっても、自分に登れたのは3級までで、2級課題は難しくて登れませんでしたが。

このような壁と課題の設定なので、ふだん3級以上をコンスタントに登っているような上級者には、ちょっと物足りなく感じるでしょう。しかし、バランス重視の課題が多く、クロス、キョン、デッドポイントなど、基本的なムーブは豊富に出てくるので、入門者や、これからクライミングの基礎を身に付けたい初級者にはぴったりだと感じました。

中級の課題が多く設定されています。

尾川智子さんを一撃、と思いきや…

通常の課題表以外にも、有名クライマーの尾川智子さんが設定した新課題というファイルがあり、5級から7級までの設定がありました。

もうちょっと難しめの課題も作ってほしいですね。

「ほほう、尾川さんの設定か。でも、このグレードなら当然ぜんぶ1撃だな」と思いつつ、しかし念のため腕がフレッシュなうちにと考え(笑)、5級から登り始めたところ、5級課題はぜんぶ1撃。やっぱり甘めのグレーディングだな、などと調子に乗っていたら、なんと、6級で登れない課題が! 苦手なランジ課題で、3トライしてやっと登れました。6級なのに。。。

ランジは、いわゆる運動神経のいい人なら、初心者でも簡単にできるのですよね。なので、グレーディングが難しいかもしれません。運動神経の鈍いんです>< 恥ずかしながら、こんな感じ……。

スタッフさんはフレンドリー

この日行ったのは、平日の夕方です。夜までは時間がありますが、それにしても空いています。私以外にいるのは、常時1~3人のお客。さほど広くないエリアですが、ガラガラという感じした。

空いているせいでスタッフさんも手持ち無沙汰なのか、「ボルダリングは長くやっていらっしゃるんですか?」など、フレンドリーに話しかけてくれます。

私がスマホで壁を撮っていたら、かわいい女性スタッフさんに「登っているところを撮りましょうか?」と言っていただきました。照れくさかったので、遠慮しましたが。。。他のお客さんで今日初めてボルダリングに来たと思われる方には、かなり丁寧に、登り方のコツを教えていました。「ひとりで行くのは不安だな」と思う初心者の人も、このジムなら心配なさそうです。

ボルダリング初心者にはスタッフさんがいろいろと教えてくれます。

空いているので、初心者グループのセッションもやりやすい

夜になってスポーツクラブの方はだいぶ混んで来ましたが、ボルダリングエリアはぜんぜんお客が増えません。

さっきのスタッフさんに「いつもこれくらい空いてるんですか」と聞いてみたところ、「だいたい空いていますね」というお返事。まだ、あまり知られていないからかもしれませんが、空いているときが多いようです。。
これは、特に初心者の方にはメリットです。混んでいるジムだと、初級の人はどうしても遠慮しがちになってしまいますが、これくらい空いていれば、初級者だけのグループでも、遠慮無くセッションで登りやすいでしょう。

クライミングジムではありえない豪華風呂は超快適!

結局、2時間半くらい登っていました。打ち込んだ2級は登れませんでしたが、もう指がヨレてしまい、また、割と新しめのホールドでフリクションが良いため指皮の消耗が激しくて、指皮が限界になってしまいました。背中や腕の筋肉にもほどよく疲れが溜まっています。

さて、この後は楽しみなお風呂タイムです。私はふだん家ではシャワーだけで済ませており、湯船に入ることはありません。1人暮らしなので沸かすのがもったいないですし(追い炊きができないため)、バスタブが狭くて窮屈だからです。そこで、ここのお風呂も楽しみにしていました。

更衣室でタオルと着替えを用意し、廊下を歩いて浴場に行きます。浴場は街の銭湯くらいの広さがあり、通常の浴槽以外に、ドライサウナ、ミストサウナ、水風呂があります。もちろん、石けんやシャンプーも備え付けられています。お湯やサウナでたっぷり温まってから、水風呂で全身アイシングします。これを2セットも繰り返すと、全身の疲れが取れて、とてもさっぱりと気持ちいい! 登った後すぐに、お風呂や水風呂に入れるは最高でした。

この奥に浴場が。さすがに浴場では撮影できませんでした。

ちなみに、シャワーだけのブースもあるので、手軽に汗だけ流したい場合は、こちらを使えばOKです。このあたりの設備の充実ぶりは、さすが業界最大手のスポーツクラブという感じで、大満足です。

ドライヤーで髪を乾かし、最後に、更衣室内の自販機で買ったBCAAドリンクを飲んで筋肉ケアをして、ジムを後にしました。

ロッカールームも広くて綺麗!ドライヤーなどの設備も充実です。

入会手続きと、料金、システムなど

ここからは料金やシステムなどについて説明します。

最初に、受付で初回登録をします。紙の申込用紙に書くのではなくて、タブレットに入力する方式になっており、慣れないマシンでの入力で時間がかかりました。システムの説明などもありますので、登録には30分くらいの時間を見ておいた方がいいです。登録の際に「緊急連絡先(家族など)と、その電話番号」を求められて、1人暮らしの私はちょっと焦りました。

また、本人確認書類(運転免許証、健康保険証など)も必要ですので、用意を忘れないようにしましょう。

利用料金は、以下のようになっています。

利用時間 ボルダリングのみ スポーツクラブと併用
フリー(時間無制限) 1,836円 1,080円
90分利用 1,296円 648円
会員証発行手数料(初回のみ) 1,080円

 

ボルダリングのみの利用料金としては、一般的なレベルですが、お風呂、サウナ、シャワーが利用できる分、割安でしょうか。

なお、クライミングシューズやチョークのレンタルも用意されています。

スポーツクラブとの併用だとかなり安い

また、スポーツクラブと併用すると、かなり安くなりますね。スポーツクラブの料金は、多くのパターンが用意されていますので、コナミスポーツクラブのWebサイトで確認してください。ボルダリングの後に筋トレしてオールアウト(出し切り)、あるいは有酸素運動でウェイトコントロールなどしたい人には、嬉しい料金設定です。

平日の営業時間が24時まで。一方、日曜は18:30までなので注意

なにげにポイントが高いのが、平日の営業時間が遅いことです。施設自体の閉館時間は24時で、ボルダリング壁は23:30で利用できます。それからシャワーを浴びたりして、24時までに退館すればいいということです。他のジムだと23:00までというところが多いので、ここなら仕事が遅くなったときでも、かなり登れますね。

ただし、土曜は20:30まで、そして日曜は18:30までと、かなり終わりが早くなります。特に日曜にボルダリングに行きたい方は、営業時間に注意してください。

初回限定で、登録料1,080円だけで利用可能!

会員証発行手数料(登録料)が1,080円というのは、やや高いかなという印象を受けます。しかし、コナミスポーツクラブでは、初回の利用料がなんと「タダ」! つまり、初回は1,080円だけで利用できることになります。

普通のクライミングジムだと、最初に行ったときは、登録料+利用料で、高めの料金になることが多いのですが、コナミスポーツクラブの場合、逆に通常の利用料より安く利用できるのですね。

これは、「ボルダリングは初めてだから、試しにちょっとだけ登ってみたい」という人にも、「どんなジムなのか壁の感じを知りたい」という人にも、とても嬉しい設定です。ぜひ他のジムでも見習って、採り入れてもらいたいシステムだと思います。

最寄り駅は「池袋」ではなく「東池袋」!

コナミスポーツクラブ池袋の場所は、「サンシャインシティ文化会館ビル」の5階です。サンシャインシティは非常に広いのですが、文化会館ビルはもっとも東の端にあり、最寄り駅は有楽町線の「東池袋」駅になります。池袋駅からだと、10分以上歩くことになります。ちょうどいいウォーミングアップかもしれませんが、はじめてだと場所もわかりにくいので、東池袋駅を利用した方がいいでしょう。

東池袋駅からサンシャインシティまでは、地下通路でつながっています。

まとめ:コナミスポーツクラブ池袋のおすすめポイントと、おすすめできる人

コナミスポーツクラブ池袋のボルダリングジムのおすすめポイントは以下のような点でした。

・スポーツクラブと一体化して、併用すると安くなる料金
・オーソドックスな課題
・フレンドリーなスタッフさん
・空いていることが多い
・充実した浴場やシャワー設備

またそこから、以下のような人に向いていると思います。

・ボルダリングを経験してみたいけど、1人でジムに行くのは不安だという人
・仲間同士でセッションを楽しみたい初心者グループ
・筋トレや有酸素運動と一緒にボルダリングも楽しみたい人
・登った後のお風呂やサウナが楽しみな人。自分です(笑)

おまけ

チョークが乗りすぎてかかりが悪いホールドを磨きたかったので、スタッフさんに「ブラシありますか?」と聞いたら、このブラシを渡されました。。。デッキブラシでホールドを磨いたのは初めてでした^^;

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https://climbing-life.com/201709152259/feed/ 0
【投稿記事】出会いを求めてボルダリングコンに参加。結果は・・・ https://climbing-life.com/201709092152/ https://climbing-life.com/201709092152/#respond Fri, 08 Sep 2017 18:35:20 +0000 https://climbing-life.com/?p=2152 ボルダリングコン、一部では盛り上がっているという話も聞きます。今回は、大阪府にお住まいの、ペンネーム「guri1012」さんから投稿された、ボルダリングコン参加体験の記事を掲載します。]]>
ボルダリングコン、一部では盛り上がっているという話も聞きます。今回は、大阪府にお住まいのペンネーム「guri1012」さんから投稿された、ボルダリングコン参加体験の記事を掲載します。

「ボルダリングコン」に参加しようと思った理由

私は大阪に住んでいる28歳の男性会社員です。職場ではまったく出会いがないため、プライベートでは良い出会いが見つけられるイベントがないか、アンテナを張っています。今回、出会いを求めて「ボルダリングコン」に参加してみたので、様子をレポートさせてもらいます。

実は以前に、料理が提供される着席型の街コンには何度か参加したことがありますが、会話が主体なため、自分の良さが相手に伝わらないと思っていました。

ところがあるとき知り合いに、「積極的に行動していれば、いつか上手くいくよ」と言われて、なるほどと思い、新境地を開くべく「趣味コン」のひとつとしてボルダリングコンに興味を持ちました。男女がカップルになれる要因の1つとして、共通の話題があると思います。趣味コンならお互いが興味のあるイベントに参加しているはずなので、その他より参加者と親しくなれると思ったのです。しかし、私自身の趣味をテーマにしたイベントは、これまで開催されていませんでした。

ボルダリングのような体を動かすイベントなら、取り組む姿勢を見てもらえて、それが打ち解けるきっかけになるかもしれないと考えました。そういうわけで、今回はボルダリングコンに参加しようと思ったのです。ちなみに、ボルダリングの経験はありません。

参加規程、参加費など

今回参加したのは、何度か利用している「街コンジャパンさん」が主催するイベントです。同じ主催者だと、どんな雰囲気かがある程度想像つくので、安心して参加できます。

今回の参加対象は、男女共に「24~36歳」という年齢枠が決められており、だいたい同世代があつまります。また、参加費は男性5,500円、女性4,500円です。

ジムは、大阪市中央区にあるボルダリングジム「roca-ロカ」で、ボルダリングコン開催時間中は、貸し切りになり、他のお客さんはいませんでした。

参加者の様子

他の参加者の皆さんは、とても落ち着いて見えました。私はかなり人見知りなので、待ち時間のとき、他の男性参加者と隣り合わせになっても、話かけることはしませんでした。もしここで会話をして意気投合すれば、今後出会いを探す仲間ができたかも、と後から思い、少し後悔しました。

参加者の方たちは、全体的に明るく、外見に気を配っていらっしゃる方が多かったです。恥ずかしながら私は面食いですが、全体的に綺麗だったり可愛らしい女性が多かったです。さらに女性の方から質問してもらえたことも、ありがたかったです。ボルダリング自体は、男性は経験者の方が多かったようです。女性は、全員がボルダリング初体験だったようです。

声援を送ったり、アドバイスをしたりするので自然に会話をしやすい

イベントの流れですが、受付後、各自持参した動きやすい服装に着替えます。それから渡された番号順に並んで、全員の女性と3分間の会話を開始します。今回は女性の方が人数が少なかったため、途中で待ち時間が10分ほどありました。全員と話し終えた後に、運営者が決めたグループごとで、計4回グループを入れ替えて、実際にボルダリングをスタートしました。

イベント中は、最初は、男性陣は特によそよそしい雰囲気がありました。それでもグループごとにわかれた後は、和やかな感じでした。そして一人ずつボルダリングをしていくのですが、参加者同士でアドバイスをしたり、声援を送ったりして、とてもよい雰囲気で進みました。

ボルダリングでは、登っている人を、見ている人が声を出して応援することが普通らしいです。もちろん、自分が登っているときに応援してもらえればうれしいし、そうやって声に出して応援していると、登った人がおりてきた後も、スムーズに、自然に会話が弾みます。これはボルダリングコンの良いところだなあと思います。

しかし、もともと会話が下手なのに加えて、街コンに参加したのは久しぶりのため、やや緊張もあり、久しぶりの異性との会話で、正直「盛り上がった」とまでは言えない内容となってしまいました。これは自分の反省点です。

カップリングは残念な結果に

肝心のカップリングですが、参加者が15人ほどとはいえ、1番を選んだ方とマッチングしないと、カップル成功の確率がないのは酷だと感じました。あとは、気になる相手に連絡先を渡すカードがあるのですが、最初の3分間の時も、フリータイムの時間すら、グループごとに固められてしまうため、カップリングまでに渡すタイミングが実質的になかったことも、改善点だと思います。

ちなみに、参加する前、ボルダリングは高い壁を登るらしいから、落ちて怪我をしたらどうしようとか、カッコ悪いところを見られたらいやだとか思っていましたが、実際にやってみると登り切れた時の達成感はとても嬉しくて、夢中になれます。

今回、残念ながらカップリングの成果はありませんでしたが、ボルダリングは友だちとまたやりにきてもいいかな、と思いました。

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クライミングでの指の痛みを予防するための簡単テーピング方法 https://climbing-life.com/201709062011/ https://climbing-life.com/201709062011/#respond Wed, 06 Sep 2017 07:18:01 +0000 https://climbing-life.com/?p=2011 クライミング、ボルダリングで指、とくに指の皮膚が痛くなるのを予防するため、簡単に巻けて、はがれにくく、指の動きをあまり妨げないテーピングテープでの保護について説明します。]]>
クライミング、ボルダリングで、指が痛くなるのを予防するため、簡単にできるテーピングテープでの保護について説明します。

主に指の皮膚を保護するためのテーピング

テーピングにはいろいろやり方がありますが、ここでは、
・簡単に巻けて
・はがれにくく
・指の動きをあまり妨げない
方法について解説します。

なお、このテーピングの主な目的は指の「皮膚」を保護して、皮膚の傷や痛みを予防することです。

また、指のじん帯や腱を保護する役割も少しあります。そのため、関節が痛い、というときにも、多少効果があります。経験上、登るときにテーピングをしないよりはしている方が、関節の痛みが悪化しません。

用意するテーピングテープ

12~13mm幅非伸縮タイプのテーピングテープ

テーピングテープには、非伸縮(伸びない)タイプと伸縮(伸びる)タイプとがあります。皮膚の保護のためには、非伸縮(伸びない)タイプを使います

また、幅は、12~13mm、25mm、38mm、50mmの4タイプが一般的によく売られていますが、指の保護に使うには、一番細い12~13mmのものが使いやすいでしょう。もし、25mm幅のものしか入手できなければ、縦に半分に切り裂いて使ってもOKです。その方が安く上がります。

さまざまなメーカーから発売されていますが、大きな違いはないので、入手しやすく安いものを買えばいいでしょう。

上は13mm幅、下が25mm幅のもの
25ミリ幅のテープを縦に裂いて使ってもよい
なお、伸縮タイプは、主に「キネシオテーピング」などの用法によって、主に筋肉の保護、治療に使うものです。皮膚の保護、関節やじん帯の保護には、非伸縮タイプを使うのが一般的です。

指の皮膚でよく痛む場所と名前

ガバホールドや鉄棒に指でぶら下がる場合を考えるとわかりますが、強い力を受けるのは、以下の部分です。
・第一関節と第二関節の間(ここを「中節」といいます)
・第二関節と第三関節の間(ここを「基節」といいます)
主に、この部分の皮膚を保護するためのテーピングが基本となります。

なお、第一関節より先の指先(ここを「末節」といいます)は、もともと皮膚が厚く丈夫であり、ジムのホールドでは深いダメージを受けることは少ないでしょう。指先(末節)にテープを巻くと、感覚が鈍くなり、また滑りやすくなってしまうため、ホールドが上手く保持できなくなります。もし指先にテープを巻かなければならないほど深いダメージを受けた場合は、素直にクライミングを休んだ方がいいでしょう。

テーピングの巻き方

(1)13mm幅のテープを少し出して、中節に二巻きします。

(2)中節の腹から、斜めに基節の方に貼ります。

(3)基節に二巻きします。

(4)基節の腹から中節に斜めに貼ります。

(5)中節で一巻きして、テープを切ります。

(6)指の腹の方はしっかり覆われている一方、第二関節部分は巻かれていないため、指が曲げやすい。伸ばす方向へは動かしにくくなるので、関節の保護にも多少なります。(関節の保護専用のテーピング方法は、別にあります)。

(7)このあと、念のため、基節部にもう一巻きしておくと、はがれにくくなります。

巻くときのコツ:指を少し曲げながら、気持ち「ゆるめ」に巻くのがコツです。指をまっすぐ伸ばしまま巻いたり、きつめに巻いてしまうと、曲げにくくなります。

これくらい指を曲げた感じで巻きます

参考動画

写真だけだとよくわからないかもしれないので、動画をアップしました。参考までにご覧ください。

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クライミングで手指の皮膚が痛いとき、おすすめケア用クリーム4選 https://climbing-life.com/201708311741/ https://climbing-life.com/201708311741/#respond Thu, 31 Aug 2017 14:58:19 +0000 https://climbing-life.com/?p=1741 登りすぎた日には、手指の皮膚がすり減ります。これを放置したままにしておくとヒリヒリ痛いし、快復も遅くなります。そこでケアしするためのハンドクリームを紹介します。 クライミングでは、筋肉より皮膚の消耗が早い? がっつりとク […]]]>
登りすぎた日には、手指の皮膚がすり減ります。これを放置したままにしておくとヒリヒリ痛いし、快復も遅くなります。そこでケアしするためのハンドクリームを紹介します。

クライミングでは、筋肉より皮膚の消耗が早い?

がっつりとクライミング、ボルダリングをした日、「まだ体力、筋肉的には余裕があるのに、指の皮、手の皮膚が痛くてもう登れない…」って経験、ありませんか?

ジムのホールドは、フリクション(摩擦)をよくするために表面がざらざらしているものがほとんどです。そのため、何本も登っていると、手の表皮に細かい傷がつき、削り取られて薄くなっていきます。

また、外の岩の場合は、ギザギザととがったホールドや、鋭いエッジのあるホールドなどもあり、ジムのホールドとは違いますが、指や手の皮膚が傷ついていきます。

このように手指の皮がダメージを受けることを、クライマーの俗語で「指皮が消耗する」と言ったりします。

日常生活にも支障をきたす手指の皮膚の痛みをケア

指皮が消耗すると、ヒリヒリと痛んで「もうホールドを持ちたくない」となって、クライミングを続けることが困難になります。熱いお茶が入った湯飲み茶碗を持つのがつらくなったり、パソコンのキーボードが打ちにくくなるなど、日常生活にも多少影響が出ます。

ただし、皮膚の表面の薄皮だけの摩耗であれば、通常は2~3日もすれば自然に治癒します。そして、治癒した後は、以前よりほんの少し皮膚が丈夫になります。この、「消耗→回復」のプロセスを何度も繰り返すうちに、だんだんと皮膚が丈夫になり、長時間登っても指皮が消耗しにくく、痛くなりにくくなっていきます。

それでも、たくさん登ればやっぱり曲げ伸ばしをするときの痛みや違和感が残ります。まして、まだ皮膚が厚くなっていない初心者は、なおさらでしょう。

こういった不快感を防ぎ、少しでも早く治すためには、保護クリーム(ハンドクリーム)で皮膚をケアします。

そこで今回は、クライミングの後の皮膚の痛みをケアし、回復を早めるためのハンドクリームについてご紹介します。

以下では、私が実際に使用して、良いと感じたハンドクリームを紹介しています。ただし、乾燥肌、脂性肌など、皮膚のタイプはさまざまなので、すべての人には合うとは限りません。その点をふまえた上で、ご自分の肌にあったクリームを探すための参考として読んで下さい。

メモA(エスエス製薬)


<分類:第二類医薬品>

第二類の医薬品、すなわち「薬」です(分類については下の方にくわしく書いています)。殺菌をしたり、痛みをおさえたり、治りを早くする効果のある成分が含まれています。

薬なので、常用するのは避けた方がいいと個人的には思っています。
・特に皮膚のダメージがひどいとき
・フォールしたときに腕がホールドにこすれて、血がにじむような擦過傷(擦り傷)ができたとき
・外岩で切り傷ができたとき
・リードクライミングでロープバーンができてしまったとき
などに使います。

軽いやけどにも効くので、外岩に行くときは携帯しておくと、なにかと安心でしょう。

使用感:かなりべたべたした、油っぽい感じです。色はやや黄色で、独特の薬っぽい匂いがします。人によっては匂いが苦手かもしれません。

白色ワセリン(健栄製薬)


<分類:第三類医薬品>

ワセリンとは、皮膚表面にパラフィンの幕を張る保湿クリームです。皮膚の保湿だけが目的で、傷を治すような成分は含まれていません。ですので、身体のもつ自然治癒力で治るのをサポートするイメージです。反面、薬効成分が含まれていないため、安全性が高いのが特徴。メモAがあわない人や、敏感な肌の人でも気軽に日常的に使えるでしょう。赤ちゃんにも使えるそうです。

時間がたって肌になじむとすべすべになるので、たとえばクライミングシューズがかかとや足首に当たって「靴擦れ」みたいになって痛いときなど、足の当たる部位に塗ると楽になります。

ただし、強い直射日光下では油焼けになることあるらしいので、炎天下の外岩では使わない方がいいでしょう。

使用感:塗ってからしばらくは、かなりヌルっとした、油っぽい感触でべたべたします。スマホやパソコン、また食べ物などを触るのは控えたい感じです。ほぼ透明で、無臭です。手のケアのためには、寝る前に手にたっぷり塗って、手袋をして寝るとよいでしょう。時間がたってなじむとすべすべになります。

キスミー 薬用ハンドクリーム(キスミー)

<分類:薬用(=医薬部外品)>

私は、ジムで登った日は、基本的に寝る前にこのクリームを塗ります。

「薬用」タイプは多くの製品が出ていますが、これはメジャーな商品でしょう。よく見かけます。すべてのハンドクリームを試したわけではありませんが、私が使った中では保湿力、ケア力はけっこう高いと感じました。

なお、「薬用」と「医薬部外品」は同じ意味です。簡単に言えば、医薬品よりも効き目が薄いものです(くわしくは下の方で解説しています)。薬効が薄いということは、副作用も少ないということになります。また、入手が容易で、値段も安いため、普段使いには、このような「薬用・医薬部外品」タイプの方がいいでしょう。

使用感:割とべたつきは少ない方ですが、下の濃厚こってりクリームよりはべたつきます。匂いはちょっと独特のハッカ臭?ですが、私は嫌いではありません。

メンソレータム ハンドベール 濃厚こってりクリーム(ロート製薬)

<分類:化粧品>

私はジムに行くときにはこのクリームを持っていき、登り終えた後、丁寧に手を洗ってから、塗っています。

皮膚の回復に良いと言われる「シアバター」や「カカオバター」が配合されていますが、薬用ですらない「化粧品」(分類の意味については、下の記事を読んでください)なので、ケアの効果はあまり期待してません。皮膚のこわばりや痛みをやわらげる目的で使います。

それよりも、このクリームの特徴は、その感触です。「濃厚こってり」とあるとおり、クリーム自体は固くて濃いのですが、液体よりも固体に近いというのでしょうか? うまく言えませんが、油のようにベタベタする感じがほとんどありません。塗った感触はサラサラなのです。

そのため、スマホやパソコンもすぐに使えますし、電車の吊革につかまるのも、食事をするのも気になりません。上の3つだと、塗ってしばらくはベタベタするので、そういうことがやりにくいのです。登った直後に限らず、仕事する前などは、べたつかないこのクリーム一択で使っています。

使用感:すぐにサラサラになるので、昼間でも使いやすい。匂いはほぼ無し。

クライマーのためのハンドクリームって?
世の中には「クライマーのためのハンドクリーム」みたいなうたい文句で発売されている商品もあります。しかし、その成分を確認してみると、ごく一般的なものが使われており、どこが「クライマーのため」なのかよくわかりません。もちろん、医薬品ではないので治療効果は確認されていないでしょう。
そういった商品の中身が悪いモノだとは思いませんが、医薬品でもないのに、上に紹介したクリームの何倍も高い値段で売られているのは、正直「うーん?」と首をかしげたくなります。

「医薬品」「医薬部外品・薬用」「化粧品」の違い

ハンドクリームを選ぶ際に知っておいて欲しいのは、薬事法によって定めらている次の3分類のどれに当てはまるのかということです。

(A)医薬品
(B)医薬部外品、薬用(「医薬部外品」と「薬用」は同じこと)
(C)化粧品(上の2つ以外)

これらの違いについて、「花王」さんのウェブサイトでは、わかりやすく説明されていたので、引用します。

「医薬品」とは、病気の「治療」を目的とした薬のことで、厚生労働省より配合されている有効成分の効果が認められたものです。
医師が処方するものもあれば、ドラックストアなどで購入することもできる大衆薬(OTC)もあります。ワセリンや保湿外用剤などがスキンケアに用いられる医薬品です。

「医薬部外品」とは、厚生労働省が許可した効果・効能に有効な成分が、一定の濃度で配合されています。[治療]というよりは[防止・衛生]を目的に作られています。

(中略)

「化粧品」とは、医薬部外品と比較してもさらに効能・効果が緩和で、清潔にする、美化する、魅力を増す、健やかに保つなどの目的で使用される製品です。

花王Webサイト より引用

効果が確認されているのは「医薬品」だけ

つまり、「傷を治す」といった効果がはっきりと認められているものは、「医薬品」だけなのです。

ちなみに、医薬品の中での、第二類、第三類などの区分については、下のサイトのような説明になります。

「医薬部外品・薬用」は、有効成分は入っているけど、医薬品のようなはっきりした効果はない、というものです。ちょっと玉虫色ですね。

また、「医薬品」でも「医薬部外品・薬用」でもないクリームは、化粧品であって、治療の効果はほとんどないけど、気持ち良かったり、清潔に保ったりはできるよ、ということです。

「医薬品」「医薬部外品・薬用」の場合、その商品のウェブサイトを見れば、そのような記載があるはずです。逆に言えば、「医薬品」「医薬部外品・薬用」などと書かれていなければ、「化粧品」だと考えられます。

また、「医薬品」と「医薬部外品」は「有効成分」を記載することができますが、化粧品の場合は「有効成分」という言い方はできません。説明書きに「有効成分」と書いてなければ、化粧品です。

化粧品というと、ファンデーションのようなメイク用が思い浮かびますが、薬事法ではもっと広い範囲のものを対象としており、上で挙げたようなハンドクリームや、たとえば歯磨き粉なども「化粧品」に分類されています。

「医薬品が良くて、薬用・化粧品が悪い」ということではない。賢く使い分けよう

では、ハンドクリームは、「医薬品」ならよくて、「化粧品」ならだめということなのかといえば、そんなことはありません。

医薬品には、用法や用量を定められたとおりに使わなければなりません。他の薬をつかっている人なら、組み合わせに悪影響がないか薬剤師や医師に確認をする必要がありますし、副作用の心配があります。

効果がはっきりあるということは、その分、人によっては「合わない」可能性もあるということなのです。

一方、「薬用」や「化粧品」なら、そういったことをあまり気にせず気軽に普段使いができます。また、値段もだいぶ安いでしょう。

要は、その商品がどの分類なのかを正しく理解して、目的にあわせて使い分けることが必要、ということです。

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クライミングシューズを安く買う5つの方法 https://climbing-life.com/201708231584/ https://climbing-life.com/201708231584/#respond Tue, 22 Aug 2017 23:00:33 +0000 http://climbing-life.com/?p=1584 クライミングシューズ、ボルダリングシューズを少しでも安く買いたい人は、「セール」「ジム併設ショップ」「並行輸入業者」「ネットオークション」「個人輸入」の5つをチェックしましょう。 クライミングシューズは高い クライミング […]]]>
クライミングシューズ、ボルダリングシューズを少しでも安く買いたい人は、「セール」「ジム併設ショップ」「並行輸入業者」「ネットオークション」「個人輸入」の5つをチェックしましょう。

クライミングシューズは高い

クライミングシューズ(ボルダリングシューズ)は、高いですよね。絶対的な値段の高さというより、トレッキングシューズなどと比べたとき、消耗も早いし、ペラペラに薄いし、一部のメーカーでは作りが安っぽいし、その割には高い値段が付けられていると感じます。

特定スポーツ分野の専門的な用具だから仕方ないという面もあるでしょうが、できればなるべく安く入手したいと思います。

そこで今回は、クライミングシューズをなるべく安く入手する方法について考えます。

クライミングシューズは、基本的に値引き販売されていない

まず、クライミングシューズは登山用品店や、クライミングジムに併設のショップで売られています。最近ではアマゾンなどオンラインショップや、クライミング用品専門のオンラインショップもあります。

しかし、どの店でも、基本的に値引き販売はしていません。並行輸入品などを扱っている店を除き、正規品を取り扱いしている店で常時値引きをしているところはほとんどなく、せいぜいショップ独自のポイントが貯まるくらいです。

安く買う方法1:セール情報をチェック

正規代理店でシューズが値引きされるのは、ショップのセールの時に限られるのが普通です。どのショップでも、セールの事前にWebサイトなどで告知されますから、日ごろからセール情報をチェックしておくことがシューズを安く入手する第1の方法です。

ただし、セールのときは人気のあるモデルや、多くの人が履くサイズなどは、すぐに売り切れてしまいます。そのため、たとえば東京・目白にある有名なクライミングショップカラファテ」(http://www.calafate.co.jp/)のセール(リアルチープ・マーケット)の日には、開店前から長い行列ができるほどです。確実にセール品を入手するには、行列に並ぶ時間と根性が必要です。

また、たいていのセールでは、特に安くなるのは一部の「特価品」に限られます。特価品は、人気がないモデルの売れ残りだったり、モデルチェンジした旧タイプだったり、汚れていたりと理由はさまざまですが、基本的に現品限りなので、自分が欲しいモデルや、自分に合うサイズがあるかどうかは運次第です。もし、運よく自分の足に合うタイプが見つかればラッキーですので、速攻で買いましょう。

「迷ったら買う」のが、セールのセオリーです。もし、後から考えて「やっぱりいらないな」と思ったら、後で書くネットオークションなどで売ってしまうこともできます。

安く買う方法2:クライミングジム併設ショップはけっこうおすすめ

第2の方法は、クライミングジムに併設されているショップです。施設内にショップを併設しているジムでは、会員サービスとして割引販売をしていることがあります。

たとえば、私が以前通っていた老舗クライミングジム「T-WALL」では、ジム内の併設ショップで、会員は5%オフ、フリーパス会員は10%オフで購入できました。さらに、年に1回のセールの際には、全品20%オフになることもあり、これはかなりお得でした。在庫処分セールと違って、店でサイズ切れになっているシューズでも取り寄せてくれましたし、取り寄せ品ももちろん割引になります。シューズ以外にも、ロープなどの消耗品も取り寄せてもらってまとめ買いをしました。

この方法のよいところは、セールの特価品ほど安く入手することはできませんが、その代わり自分の好きなモデル、好きなサイズが選べるところです。行列にならぶ必要もありません。

なお、「パンプ」や「エッジアンドソファー」といったジムでは、ジムでの販売だけでなく、オンライン販売もしています。オンラインでもセールを行っており、こちらでもたまにセール品が出されるので、まめにチェックしておくとよいでしょう。

安く買う方法3:並行輸入品を販売している店で買う

上で、正規代理店では、基本的に常時値引き販売はしていないと書きました。一方、正規代理店ではない、並行輸入業者もあります。ネット販売で安く売っている店は、並行輸入業者ですね。こういう店で買うのが、第3の方法です。

クライミングシューズは、海外メーカーのものしか存在しないので、生産国の現地では、日本で入手するより安く買えます。そのような内外価格差を利用して、海外で安く買ったものを日本で転売しているのが、並行輸入業者です。並行輸入品だからと言って、偽物だとかB級品を扱っているということは、まずないでしょう。

ただし、もし製品に不具合があった場合の対応などはショップ次第となります。また、以前の円高時代と違って、為替レートが円安になっている今は、並行輸入品でもそれほど大幅に安くなるわけではありません。

そのあたりが気にならない方であれば、そのようなショップから買うことも一法でしょう。

安く買う方法4:ネットオークションを利用する

4番目の方法です。劇的に安く買いたい場合は、ヤフオク、メルカリなどのネットオークションをチェックしてみるのがおすすめです。

ネットオークションには、上記のような並行輸入業者が新品を出品していることもあります。自分の欲しいシューズのモデル、サイズが決まっているのなら、出品があればお得に買えます。ただ、当然ながら新品では、せいぜい20~25%引き程度で、送料などを考えると劇的に安いというほどではありません。

ネットオークションで狙い目なのは「新古品」です。これは、普通の個人のクライマーが「自分には合わなかった」「サイズを間違えてしまった」などの理由で、数回しか履いていない、新品に近い中古品を出品しているものです。

新古品は、数回の利用とは言え中古品なので、新品よりはかなり安い価格で出品されていることが普通です。たとえば、4,5回程度しか使われていないシューズが定価の半額程度で出品されていることは、よくあります。こういったものを見つけたら、かなりお得です。数回の利用であればシューズの消耗はほとんどなく、単なる気分的な問題だけです。

クライミングシューズの中古品(新古品)出品が多い理由
クライミングシューズはサイズのフィットが難しく、とくにサイズの「攻め過ぎ」(小さい過ぎるサイズ選び)での失敗は、ある程度経験を積んだクライマーならだれでも1度は経験するくらい、よくあることです。そのため、この新古品の出品がよくあるのです。

ただし、商品の状態などは、あくまで出品者の自己申告です。中古品の場合、思っていたのと違った、ということも、なくはないでしょう。疑問に思うことは、事前に出品者に質問するなどして確認することが必要です。

また、中には「他人が使ったシューズは絶対イヤだ」と感じる人もいるでしょう。そのような方は、新品を入手しましょう。

なお、オークションにはキーワードアラート機能があります。たとえば「ファイブテン モカシム」といった、自分が欲しいシューズをキーワードで登録しておけば、その出品があればメールで知らせてくれるので、常時チェックしてなくても見逃す心配がありません。

安く買う方法5:海外ショップからの個人輸入

クライミングシューズ、ボルダリングシューズを安く入手する方法の最後として、個人輸入があります。

海外では、クライミングシューズをはじめ、クライミングギアを安く販売しているオンラインショップがたくさんあります。上に書いたように、基本的に日本より安い定価となっている上、海外ショップはよくセール販売をしているので、セール期間を狙えば、円安になったとはいえ、かなり安く買えます。

ただし、メーカーや正規代理店からの要請があるためか、店によっては特定のブランドは日本へ送付してくれないこともけっこうあります。

クライミング用品の個人輸入サイトとして一番有名なのはtrekkinn」(https://www.trekkinn.com/)でしょう。ここは価格が安く、しかも日本語で注文できるのがメリットです。

英語の読み書きが苦手じゃない人なら、他にも安いサイトはあります。海外ショップについては、いつか別記事でまとめて紹介したいと考えています。

仲間とまとめ買いをするのがおすすめ

個人輸入で支払う金額については、「実際の販売価格+送料+関税」を考えなければなりません。ネックとなるのが送料です。いくら現地での販売価格が安くても、送料が高ければメリットはありません。送料はたいてい重さや価格の区分による従量制ですが、1個でも2個でも変わらないことが一般的です。そこで、仲間を募って、まとめて購入した方が、送料がトクになることがよくあります。

具体的な送料の区分は、販売サイトによっても異なりますので、よく確認してください。

関税は、複雑だが、かかることが原則。

個人輸入をする場合、関税に注意が必要です。関税は基本的に発生するのですが、少量の場合には課されないこともあるようです。このあたりははっきりしたことは言えませんが、基本的にかかるものだと思っていた方がいいでしょう。
シューズの関税は複雑で、素材によっても変わります。ここでは説明仕切れませんので、くわしくは税関のウェブサイトで確認してください。

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クライミングトレーニングの名著『パフォーマンス・ロック・クライミング』紹介 https://climbing-life.com/201708201551/ https://climbing-life.com/201708201551/#respond Sat, 19 Aug 2017 16:55:52 +0000 http://climbing-life.com/?p=1551 真剣に上達を目指すクライマーは必読の名著『パフォーマンス・ロック・クライミング』をご紹介します。残念ながら現在絶版ですが、古書で入手して読む価値があります。 トレーニングテキストの個人的ナンバーワン クライミング、ボルダ […]]]>
真剣に上達を目指すクライマーは必読の名著『パフォーマンス・ロック・クライミング』をご紹介します。残念ながら現在絶版ですが、古書で入手して読む価値があります。

トレーニングテキストの個人的ナンバーワン

クライミング、ボルダリンに関する本は、たくさん出版されています(日本国内での出版のこと。以下同様です)。

カバー写真のクライマーは、平山ユージさん!

その中でも、この『パフォーマンス・ロック・クライミング』は、クライミングのトレーニングについて書かれた本、クライミングのテキストとしては、トップ3に入る名著でしょう。個人的には、日本語で読めるクライミングトレーニングの教科書としては、ナンバーワンだと思ってます。

著名な本なので、現在、出版されているクライミング、ボルダリングのトレーニング書や雑誌記事などにも、本書の内容から影響を受けていたり、内容を流用したものがたくさん見られます。(もちろん、科学的に正しい方法であれば、だれが書いてもだいたい同じ内容になるのは当然なのですが)。

「最も弱い環の原則」

「最も弱い環の原則」ということばを聞いたことがある方も多いでしょう。この言葉も、元をただせば本書が最初に提唱したものだと思われます。

クライミングにおける「最も弱い環の原則」とは、簡単にいうと次のようなことです。

クライミングでは、ルートの中に1か所でもできないところがあれば、そこで落ちるしかありません。したがって、「得意なことを伸ばす」よりも、「苦手なことを無くす」という方針でトレーニングをした方が、全体的なパフォーマンスは高まる、ということです。

私たちは、ジムで登っているときなど、ランジが得意ならランジ、ヒールフックが得意ならヒールフックなど、ついつい得意なムーブを使って登ってしまいます。あるいは、何度かトライしてもできないムーブがある課題はあきらめて、別の登りやすい課題を探したりします。「登る楽しさ」という観点から見れば、その方が楽しいでしょう。

しかし、「上達のためのトレーニング」という点では、それはあまり意味がありません。得意なことをさらに上達させても、全体のパフォーマンスに与える影響はわずかだからです。それよりも、苦手を克服した方が、全体のパフォーマンスを大きく向上させます。そこで、クライミングの全体像を把握した上で、もっとも苦手とすること=最も弱い環を無くすようにしていくべきである、ということです。

「筋力アップ」にも、さまざまな種類と目的がある

筋力アップのためのトレーニング、いわゆる「筋トレ」も、単純ではありません。「筋肥大」「最大筋動員」「筋肉間協調」「無酸素性代謝」「有酸素性回復」など、さまざまな目的、種類があります。どういった目的で、なにを鍛えたいかによって、「筋トレ」の内容も、やり方も違ってくるということです。

よくある入門書だと、単純に「チンニングは何回できるように」とか「プランクのやり方」「キャンパシングの方法」などしか書かれていません。しかし、それが筋肥大のためのトレーニングなのか、筋動員率を上げるためのトレーニングなのかもわからないままトレーニングをするのでは、効率の良いトレーニングはできません。

本書では、クライミングという運動の内容に即しながら、それぞれを最適に組み合わせ方、トレーニング計画などが書かれています。

本書目次

「心理コントロール」「覚醒」「ピリオタイゼーション」

コンペに出る選手や、外岩で高難度の課題を落とすことを目指す人には、「心理コントロール」「覚醒」「ピリオタイゼーション」などの項目は、特に役立つでしょう。

ちなみに、ピリオタイゼーション(トレーニングの期分け)の考え方は、上達を目指すスポーツ選手にとっては、基礎、土台ともいうべき重要なものですが、トップクラスのクライマーは別として、その言葉自体を知らないクライマーが多いことに、驚かされます。

国内で出版されているクライミングの教則本では、ムーブについての解説ばかりが多く、筋トレの種類や組み合わせ方、「心理コントロール」「覚醒」「ピリオタイゼーション」といったことについてくわしく書かれているものは、ほとんどありません。

ピリオタイゼーションの項目の図解

古くなっている部分も少しあるが、クライミング、ボルダリング上達を目指すなら、最初に読むべき1冊

本書は、アメリカ合衆国で原著が出版されたのが20年以上前の1993年(日本語訳版は1999年)です。そのため、一部の情報は少し古い感じがします。

たとえば、W.ギュリッヒが開発した木製のラングを使うトレーニング方法があります。いまではだれでも知っている「キャンパスボード」「キャンパシング」です。このトレーニング法をギュリッヒが開発したのは1988年で、本書の発行よりは前ですが、初期には「キャンパスボード」という名前が定着していなかったのでしょう。本書では「リアクティブ・トレーニング」という名前で紹介されています。

そして、キャンパシングが開発されてまもない時期のせいか、紹介は概要程度でくわしいやり方などは書かれていません(現在メトリウスから発売されているキャンパスラングに付録のマニュアルの方が、よっぽど詳しく書いてあります)。

ちなみに、「キャンパスボード」とか、「キャンパシング」という名前は、最初に設置されたのがニュルンベルグの「キャンパス・センター」というジムだったことからつけられた名前で、トレーニングの内容とは関係ありません。トレーニングの内容を表す名称としては、本書掲載の「リアクティブ(反動)・トレーニング」の方が、ふさわしいと思います。今さら変えることはできないでしょうが…。

また、筋トレや身体のケア、栄養に関する理論についても、この20年間の研究成果がありますので、少し古くなっている部分があります。本書ではアイシングについてはまったく触れられていませんし、BCAAなどのサプリメントについても触れられていません。

さらに、最近の読みやすさ、わかりやすさを最優先して作られた入門書とちがって、古い本で、かつ翻訳物なので、ややとっつきにくい印象はあります。また、全体的にリードクライミングを前提とした内容になっており、特に「タクティクス」(課題を登るための戦術)の項目など、リードクライミングに特化した内容になっています。

しかし、それらの欠点を差し引いても、クライミング、ボルダリングの上達を真剣に考えるクライマー(中級以上を目指す人)にとって、本書の内容は絶対に役立つものだと断言できます。トレーニングについて、真面目に勉強したいのなら、最初に読むべき一冊です。

もちろん、筋力トレーニングについては、最新の研究成果を採り入れて書かれた本をあわせて読んで、古くなっている部分は適宜補った方がよいでしょう。

現在は絶版だが、古書で入手可能

ただ、非常に残念なことに、本書は絶版になっており、新刊では入手できません。少し高くなりますが、アマゾンで古書が入手できます。また、ヤフオクやメルカリにもたまに出品されています。

最後に、山と渓谷社は、似たような内容の入門書ばかりをたくさん出していないで、こういった素晴らしい価値を持つ本を、(kindle電子書籍でもいいので)再発売すべきでしょう。それが専門出版社の存在意義というものではないでしょうか。

パフォーマンス・ロック・クライミング
デイル・ゴダード、ウド・ノイマン著、森 直康訳 山と溪谷社
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