クライミング後の指の痛みはフィンガーローラーでケア
クライマーの指マッサージにはフィンガーローラー
クライマーはつねに指を酷使しています。外岩で激カチの出てくる課題はもちろんですが、ジムのボルダリングでガバばかりの課題だって指は疲れるし、こわばってきます。スローパーが案外と指を消耗するんですよね。
指の皮膚をケアするためのクリームについては以前紹介しましたが、今回は指の「腱」や「靱帯」「関節」などのケアをするためのマッサージ用具をご紹介します。
これは「フィンガーローラー」と呼ばれる、小さいトングのような形の本体に、ゴムのローラーがついた器具です。本体をつまんで指を挟み、前後に動かすことで関節をマッサージできます。
フィンガーローラーにもいろいろな製品がありますが、私の一推しは、満天社の「ユビラックスゲルマ」です。
アマゾンで972円(17年10月現在)というのは、製品の作りに比べるとやや高いようにも思えますが、その値段に見合う価値があると断言できます。(ただ、ゲルマニウムの効果についてはよくわかりません)。
ローラーの形状、堅さに秘密が
ぱっと見では、「自分の指でマッサージしても同じじゃない?」「使う意味があるの?」と思えるかもしれません。
ところが、フィンガーローラーでコロコロするのと、自分の指でマッサージするのとでは、感覚はまったく違います。フィンガーローラーのローラー部分を見るとわかりますが、幅の細い山が3本連なる形になっています。この細い山の部分、とくに真ん中の山が、(表現は少し変ですが)ピンポイントで指に食い込むような形になります。そのため、指でマッサージするのに比べて、効果的にコリをほぐすことができるのです。
さらに、このローラーは、適度な柔らかさを持つゴムになっているため、刺激が強すぎることなく、とても快適な使い心地です。
クライミング、ボルダリングの直後、あるいは、お風呂上がりなどにコロコロしておくだけで、翌日に残る指の疲れがだいぶ軽減します。
フィンガーローラーを使うコツ
使い方は簡単なので、迷うようなことはないでしょうが、ちょっとしたコツがあります。それは、持ち手を強く握り過ぎないこと。写真でもわかるように、器具のローラー自体が指の幅より閉じているので、ローラーに指を入れれば、自然に軽く挟む力がかかります。それ以上に、自分の手で、ぎゅーっと挟み付けるのはNGです。
器具を持っている方の手では挟む力は入れず、軽く保持するだけで、数回コロコロすれば十分なマッサージ効果があります。運動した直後に、負荷がかかった部位にあまり強いマッサージをするのはかえってよくないと言われているので、力を入れすぎないように注意しましょう。
ちなみに、本来の使い方とはちょっと違うのかもしれませんが、指の付け根と付け根の間をマッサージすることにも使えます。仕事などで長時間手先を使う作業を続けると手の平が疲れますが、そういうときに親指と人差し指の付け根の間(いわゆる「合谷」のツボ)をマッサージすると、ちょー気持ちいいですよ。
100均のものはやめておいた方がいい
ところで、「フィンガーローラー」というのは、指をマッサージするためのローラーがついた器具の一般的な名称であり、特定の商品を指す固有名詞ではありません。フィンガーローラーにはさまざまな商品が発売されており、100均でも売っています。
私は100均好きで、ダイソーもキャンドゥもセリアも愛用していますが、フィンガーローラーについては、100均のものはやめておいた方がいいようです。100均の商品と、上記の「ユビラックスゲルマ」とでは、使い心地に天と地ほどの差があります(私が買ったものだけかもしれませんが)。
なにがダメかというと、100均ローラーは、ローラー部の素材が硬質プラスチックであり、かつ形状が平面なので、まったく指に食い込みません。ただ挟むだけです。しかも、素材が悪いのか、精度が悪いのか、ローラーの回転がとても渋い(回りにくい)のです。使っていると悲しくなってきます。
「ユビラックスゲルマ」が高いと言っても、1000円もしない値段ですし、壊れる可能性もほとんどありませんから、長期間使えます。ここはぜひ、数百円をケチらず、良いものを買っておくことをおすすめします。