【全解説】スポーツクライミング競技(3)ボルダリング種目:東京オリンピック

クライミングの中でも、もっとも手軽に取り組めることなどから、いま一番注目を集めているのがボルダリングです。公式大会でのボルダリング競技は4~5m程度の壁を、なるべく少ないトライ回数で登ることを競う競技です。

いま一番熱い!ボルダリング

2020年東京オリンピック、スポーツクライミングの3種目のうち、今回はボルダリングについて説明します。

ボルダリングは、スポーツクライミングの中でも、今もっとも人気の高い競技です。
東京や大阪などの都市部では、専門のボルダリングジムが増え、いつもたくさんのクライマーで賑わっています。

オリンピックやワールドカップといった公式大会での、ボルダリングの競技ルールと見どころを説明します。

ボルダリングは4~5mの壁をロープを使わずに登る

スポーツクライミングのボルダリングは、高さ4~5メートル程度の壁を登る競技です。

「高さ4~5メートル程度の壁」と書きましたが、実は、ボルダリングで使う壁の高さに、固定された規定はありません。国際ルールでは「選手の身体の最も低い部位が着地マットから3m以上にならないこと」と上限だけが規定されています。

たとえば、壁の一番上で一番背が低い選手がぶら下がったときに、足から地面までが3m未満でなければならないということです。選手が3m以上の高さから落ちることはないようにとの規定です。

選手の身体が3m未満であればいいのだから、壁の高さは3mでも4mでもいいのですが、あまり低すぎると今度は見栄えがしないので、大会での壁の高さは4.5~5m程度にされるのが普通です。ちなみに、ボルダリングジムでは、3.5~4mくらいの高さが主流です。

リード競技と違って、選手はロープをつけません。その代わり、床には厚さ30センチ程度のマットが敷かれて、選手の落下時の安全を確保しています。

実はリードよりも怪我の可能性が高いボルダリング

厚いマットが敷かれているとはいえ、最高で3mの高さから落ちるのですから、変な姿勢で落ちると、ねんざや骨折といった怪我をする可能性があります。

一見すると、高い壁を登るリードクライミングの方が危険な感じがしますが、実はリードはロープで安全確保されているため、クライマーかビレイヤーのどちらか重大なミスがない限り、落ちても安全です(怖いですが)。

一方ボルダリングは、致命的な危険はありませんが、マットに直接落下するため、変な姿勢で落ちると、ねんざや骨折などの怪我をする可能性は高くなります。

スタート、ゴールの仕方、完登のルール

リードと同様、壁には「ホールド」と呼ばれる突起がつけられており、指定されたスタートホールドからゴールホールドまでのセットが1課題です。これを落ちないで登りきれば「完登」となります。

なお、ボルダリングではスタートホールドは両手で持って(スタートホールドが1つの場合)でスタートします。そして、ゴールを両手で保持して、審判が「OK」の合図をしたら、完登となります。ゴールは飛びついて触るなど、「触っただけ」では完登とみなされません。

壁の形状や課題は、大会ごとに新しく作られます。選手は初めて見る課題を「オンサイト方式」(他の人の登り方を見ることができない)でトライしなければなりません。

ボルダリング競技の勝敗は「登った数」で決まる

公式大会でのボルダリングでは、1人の選手が複数の異なる課題(予選は5課題、決勝は4課題)をトライします。そして、完登できた本数で勝敗が決まるのが基本です。決勝で4本登った選手が1人しかおらず、他の選手が3本以下しか登っていなければ、文句なしに4本登った選手が優勝です。

選手には課題ごとに持ち時間(予選は5分、決勝は4分)が与えられており、その時間の中で、何度トライしてもかまいません。
そして、完登数が同じ場合は、より少ないトライ数で登った選手の勝ちとなります。決勝で、2人の選手が4本の課題を完登した場合、A選手がすべて1回のトライで登り、B選手がすべて2回ずつトライしていたらA選手の勝ちです。

また、課題の途中にはボーナスホールドと呼ばれるホールドが設けられており、完登数、トライ数が同じ場合は、このボーナスホールドをどれだけ取れたかによって勝敗が決まります。

ボルダリング競技の見どころは?

ボルダリングは、リードと比べてもより大きく、激しいムーブ(クライミングの動き)が求められます。

特に最近の大会では、微妙なバランスの姿勢で遠くのホールドへランジ(ジャンプ)するような、器械体操に近いようなアクロバティックな動きが求めらており、選手もパワーや瞬発力が必要になっています。

見どころは、まずダイナミックな動きで次のホールドをつかみ取る選手たちの動きでしょう。また、一見不可能に見える課題が、正解ムーブ(課題設定者が意図した登り方)を見つけ出すことによって登れてしまう、パズルを解くようなムーブ選びも問われます。

さらに上で述べたように、同じ課題を複数回トライはできますが、トライ数を闇雲に増やすと、同完登数の際に不利になります。また、トライを増やすと疲れがたまってくるので、登れる可能性が高くなるとは限りません。

限られた時間で、どらだけトライするのか、その駆け引きも見どころです。

百聞は一見にしかず

さて、百聞は一見にしかずです。2016年ワールドカップ大会、ボルダリング競技の様子をご覧ください。

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