池袋ではボルダリングジムの壁にまでふくろうがいる
渋谷にハチ公、池袋にいけふくろう、だが…
渋谷駅に「ハチ公」があるように、池袋駅には「いけふくろう」があります。池袋駅のランドマークとしてご存知の方は知っていますし、ご存じない方は知らないでしょう(当たり前)。
調べてみると、「いけふくろう」が作られたのは1987年で、最初から待ち合わせの目印のためとして設置されたとのこと。つまり、渋谷のハチ公にあるようなバックストーリーや歴史的な背景があったわけではないようです。
要するに、ダジャレですか?
ではどうして「ふくろう」なのでしょうか?
いけふくろうの彫像のところには、「池袋の由来」という地名の由来書きがあり、その最後には次のように記されています。
ランドマークの素材としてふくろうが選ばれたのは、池袋の「袋=ふくろ」にあやかって、と書かれています。これは「ふくろ」と「ふくろう」をかけた言葉遊びというか、要は“ダジャレ”ですよね。当時の豊島区役所地域振興課長あたりが考えたのでしょうか?
いずれにしても、池袋とふくろうの関係はだじゃれで始まったようですが、現在の豊島区のWebサイトにはこう書かれています。
ふくろうとつながりの深い豊島区。区内には、ふくろうのオブジェなどがあちらこちらに点在し、ふくろうやみみずくに関する資料館もあります。
(豊島区ホームページより)
まるで池袋とふくろうの間に、昔からの歴史的、民俗的由来があるかのような書き方ですが、このページをよく読むと、区の形がふくろうに似ている(!)とか、昔はふくろうがいたとか(昔はそこら辺にどこでもたでしょう)、かなり無理矢理感があります。
継続は力、なのか
ぶっちゃけ、そのような理由は後付けで、ダジャレではじまった「いけふくろう」をきっかけに、ふくろうが街のイメージアップのためのパブリックアートと使われているというのが本当のところだと推測されます。
ちなみに、いけふくろうが設置された当時はまだ「ゆるキャラ」という概念が存在していませんでしたが、いまだったら間違いなくゆるキャラとしてふくろうのキャラが設定されていたでしょう。(みうらじゅんさんが「ゆるキャラ」という概念の発案したのは2000年だそうです。)
このように、かなり無理矢理感がある豊島区とふくろうのつながりですが、それでも区をあげて、パブリックアートとして「ふくろう推し」をして、街のあちこちにふくろうオブジェを設置したことが功を奏して、池袋=ふくろうというイメージも、少しは定着しているかもしれません。ダジャレからはじまったのに、いまや立派な街のシンボルになってしまったテキトーさも、悪くありません。継続は力、ですね。
東池袋のシンボル、アウルタワーの守護神
先日紹介記事を書いた「コナミスポーツクラブ池袋」は、地下鉄有楽町線「東池袋」駅から地下通路を通じて行けますが、この地下通路は「アウルタワー」という52階のタワーマンションの地下を通り抜けます。
「アウル:owl」は英語でふくろうのことなので、「ふくろうタワー」ということです。もちろん、タワーの玄関を守る守護神はふくろう。しかし、守護神は、ナンバーワンふくろいうというわけではありませんでした。
東池袋の薄暗い地下にひっそり生息するふくろうたち
タワーの地下通路には、多くのふくろうが生息しています。この通路は休日の夜などあまり人通りがなく閑散としており、しかも薄暗くなります。その中で、密集するふくろうたちの大きな目にじっと見られながら歩くのは、ちょっと不気味な感じもあります。子どもだったら肝試しレベルではないでしょうか?
そして、ボルダリング壁にも…
多くのふくろうたちに見送られながら通路を抜けてサンシャインシティに入り、コナミスポーツクラブ池袋に到着。
やれやれ、と思ってボルダリングをすると……、そのボルダリング壁にもフクロウががが!
さすが池袋、と言わざるをえません。