【クライミングの基本技術】ホールドの持ち方2:ポケット、スローパー

クライミング、ボルダリングのムーブの基礎となるホールドの持ち方(ホールディング)について、3回にわけて説明します。今回はスローパーとポケットをとりあげます。スローパーはを制するのが上級者への登竜門です。またポケットでは、怪我に注意しましょう。

スローパーの基本とコツ

その名の通りスロープのように傾斜していて、指がひっかかるデコボコがほとんどないのっぺりしたホールドを、スローパーと呼びます。

初心者~上級者まで全てのクライマーの宿敵にして最大の友です。これを1つ入れるだけでグレードが1つ上がることもあり、最近のコンペ(大会)で必ずキーホールドとして使われると言っても過言ではない、最重要ホールドです。

スローパーは「持つ」といようり「押さえる」ように保持する。

スローパーはたいてい、指で持とうとすると外側に弾かれるため、「持つ」のではなく、手のひらのフリクション(摩擦力)を使って「押さえ込む」ような意識で保持するのがポイントです。

といっても、形状、大きさによって持ち方に一番バリエーションがあるホールドでもあります。ここでは一般的な持ち方を説明します。

まず、のっぺりしてつかみどころがないように思えるスローパーでも、よーく探ると、微妙な凹凸があります。まず、それを探し、なるべく膨らんでいる、あるいは凹んでいる所を、中指付け根から1.5cmくらいの所で捉えます。そして、手全体で体の方に引っ張り、ホールドの真下に引きます。「持つ」というよりは指全体(時には手のひらも)で押さえつけて、肩で引くことを意識します

このとき、肘が曲がっていると手前に引く感じになってしまい、すべり落ちてしまいます。なるべく肘を伸ばして、ホールドの真下にぶら下がりつつ、肩で挟み込む感じにしてみるとよいでしょう。

また、球状に近いホールドであれば指を広げて鷲掴みのようにするのも、特に手の大きい男性の場合は有効です。

いずれにしても、ある程度の筋力やバランス感覚が必要になります。そこで、手っ取り早く持つには、一番膨らんでいる所の周辺をカチを持つ時の要領(カチ持ち)にする方法もあります。どうしても上記のようなやり方で保持できない場合は、カチ持ちも試してみましょう。

ただし、カチ持ちには腕が固められていてダイナミックなムーヴがしにくくなるというデメリットがあります。最初はカチ持ちで持っていたとしても、できるだけスローパーの持ち方に変えていくようにした方がいいでしょう。

スローパーのポイント
・指先で持つのではなく、指、手のひらの摩擦で押さえつける。
・肩で引くことを意識する。肘はなるべくまっすぐ。
・場合によっては、カチ持ちも有効。

ポケットの基本とコツ

穴が開いているホールドのことを「ポケット」と呼びます。穴に指を入れ、引っかけるように保持します。

穴の大きさは、1本指しか入らないものから4本指が入るものまで様々ですが、入る限りなるべくたくさんの指を入れた方が安定します。

2本しか指が入らない場合、通常は「人差し指+中指」か「中指+薬指」のどちらかになります。薬指は力が弱いので、「人差し指+中指」の方が力が入るはずですが、ホールドの形、向きによっては「中指+薬指」じゃないとフィットしないこともあります。どちらがフィットするかは、入れてみないとわかりません。

また、3本の指を並べて入れるには少し狭いポケットの場合、人差し指と薬指をくっつけ、その上に中指を置く「俵(たわら)持ち」にすると入ることがあります。これはとても有効で、2本指で保持するよりずっと力が入ります。知らないとできない持ち方なので、ぜひ試してみてください。

俵(たわら)持ち。2本指だけで持つより、ずっと力が入る。知らないとできないので、覚えておきたい。

ポケットは怪我をしやすい!

指への負荷が大きいため、無理をすると指の腱を怪我しやすいのが、ポケットホールドの特徴です。

指の腱を傷めることを俗に「パキる」といいますが、パキるときは「パキ!」とか「ピシィ!」という悲痛な音がします。

特に、ポケットホールドを保持したダイナミックなムーブを起こしたり、落ちたり(フォール)すると、指の腱に過大な負荷がかかり、パキってしまうことがあります。

それを予防するには、無理に前腕から先だけで保持したり引き付けたりしないで、指で引っ掛けて肩と胸の力を使って保持、引き付ける(カチに近い押さえ方)ことを意識をしましょう。そして、落ちそうになったり危ないと思ったら無理をせずにすぐに指を外すことも大切です。

ただし、ポケットホールドが遠かったり、またアンダー(下から上へ引く)気味に保持しなければならない場合は、どうしても大きな負荷がかかります。危ないと思ったら、その課題はあきらめてトライしないという決断も必要です。

また、もし前腕に異常を感じたら、すぐにその日はクライミングを中止し、痛みが引くまで(1~2週間程度)安静にしておきましょう。もちろん、強い痛みがある場合は、医師の診断を受けてください。

ポケットのポイント
・なるべく多くの指を入れる。
・アンダー引きのポケット、遠いポケットは、怪我しやすいので無理しない。
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