初心者向けクライミングシューズの形、サイズ。おすすめ5選も紹介

初心者が初めて買うクライミングシューズ(ボルダリングシューズ)選びのポイントの3つ目、「足先はまっすぐの「ストレート」、底は平らの「フラットタイプ」について解説します。また、迷いやすいサイズ選びと、おすすめモデル例も紹介しているので参考にしてください。

初心者のクライミングシューズ選び、3番目のポイント

クライミング、ボルダリング初心者のシューズ選びで大切な3つのポイントについて、1つずつ解説しています。

ポイント1:値段の安さを優先する。セール品、特価品などがベスト
ポイント2:2~3本のベルクロタイプ、または、レースアップ(紐靴)タイプ
ポイント3:足先はまっすぐの「ストレート」、底は平らの「フラット」タイプ

今回は、最後のポイント3:足先はまっすぐの「ストレート」、底は平らの「フラット」タイプについて解説します。ポイント1とポイント2については、それぞれ下のページで説明していますので、もしまだお読みでないなら、そちらから先にお読みいただいた方が良いでしょう。

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初心者が買うべきは、レースアップまたはベルクロ2~3本のシューズ
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横から見たり、下から見たりして形を確認しよう

クライミングシューズのソール(底)の形は、水平方向(下から見た時)の形が2タイプ、垂直方向(横から見た時)の形が2タイプ、それぞれあります。

▼水平方向(上または下から見た時)の2タイプ

・下(上)から見た時に、つま先が真っ直ぐな「ストレートタイプ
・つま先が親指の方に湾曲している「ターンインタイプ

ストレートタイプ(底から見て比較的まっすく)
ターンインタイプ(底から見て、親指側への湾曲が強い)

▼垂直方向(横から見た時)の2タイプ

・ソールが平らな「フラットタイプ
・つま先の方が下がるように湾曲している「ダウントウタイプ
(ダウントウタイプには、ソールの前方と後方が分かれている「セパレートタイプ」もあります)

フラットタイプ(横から見て、底が平らになっている)
ダウントウタイプ(横から見て、つま先側が下がっている)

ダウントウタイプと言っても、フラットに近いわずかなダウントウから、指先だけが極端にダウントウしているものまで、さまざまなものがあります。また、ターンインも同様で、ストレートに近いものから、極端なものまでバリエーションは豊富です。

これらの組み合わせによって、多くの製品がデザインされています。

たまに、「ダウントウ」と、「ターンイン」を混同してしまって、間違えた用語で書いているブログ記事なども見かけるので、初心者の人は気を付けて、正しい知識を持ってください。

初心者の初めてのシューズは「ストレートタイプかつフラットタイプ」から選ぶ

これらの多くのタイプの中で、クライミング、ボルダリングの初心者がはじめて買うシューズとしておすすめなのは、ずばり、ストレートタイプかつフラットタイプのものです。その理由は、大きな弱点がなく、なんでもそこそこにこなせるのがこのタイプだからです。

初心者から上達していく過程においては、いろいろなタイプの壁(スラブ、垂壁、強傾斜、など)で、さまざまなムーブが出てくるさまざまタイプの課題を登っていかなければなりません。
そのためには、極端に苦手なことがないシューズの方がいいのです。「得意なことがある」よりも「苦手なことがない」を重視して選ぶということですね。

これにあてはまる形が、ストレートタイプかつフラットタイプ。クライミングシューズメーカー各社のラインナップの中でも、「エントリーモデル」として位置付けられている商品は、ほぼ例外なくこのタイプになっています。

ターンインやダウントウは、高難度課題を落とすために特化したシューズ

そもそも、クライミングシューズは、生まれてから長い間、フラットタイプでストレートタイプのものしかありませんでした。しかし、クライミングが進化し、より困難な課題がトライされるつれ、それらを登るためにシューズも改良が重ねられ、ターンインやダウントウの形が登場しました。

ターンインは、遠くて細かいフットホールドに確実に乗り込んだり、かきこんだりするのに有利な形です。また、ダウントウは、主に激しく前傾した壁において、より足を残したり(足が外れない)、かきこむときにも有利でしょう。

一方、ターンインはアウトサイド(シューズの小指側を使う)の乗り込みは、不利になります。また、ダウントウは、スラブ壁などでスメアリングをするのは苦手です。

このように、ある性能を極端に強化しようすると、別の面が弱くなります。極端にターンインやダウントウしているシューズは、中~上級者がトライする強傾斜の壁や、極小ホールドに乗り込むために特化したシューズです。したがって、そういう課題をトライしない初心者には、かえって使いにくいということになります。

おすすめのシューズの具体例

おすすめシューズの例を挙げます。気を付けていただきたいのは、これはあくまで「例」ということです。なぜなら、シューズは自分の足に合うことが一番大切で、それは実際に履いて、登ってみないとわからないからです。

とはいえ、店にある全部のシューズを試着することは難しいでしょうし、たくさんある中からなにを優先して試着すればいいかもわからないでしょう。そこで、最初の基準とするための「おすすめモデル例」を挙げておきます。

以下では、くわしい製品情報が見たい方のために参考としてアマゾンへのリンクを載せておきますが、初心者はシューズを通販で買ってはいけません。必ず、リアル店舗で試着してから購入してください

初心者おすすめシューズ1:ローグベルクロ(Rogue VCS)

メーカー:ファイブテン

参考価格:12,500円(+税)

〇 特徴
低価格で、足入れがよく、フラットタイプ、ストレートトウ、そしてベルクロ2本締めと、初心者用のお手本のようのシューズ。ソールのラバーには、フリクション(摩擦力)に定評がある同社の代表ラバー「ステルスC4」が使われており、その点では上級モデルと比べてもそん色がありません。
また、ファイブテンは大手メーカー(現在はアディダス傘下)なので、在庫が豊富で、いつでも、どこでも入手しやすいこともメリットです。最初に試着するシューズとしておすすめできます。

× 欠点
天然皮革であるため、伸びやすいところは、ややマイナスです。しかし、しっかりした2本のベルクロで密着できますので、モカシムのようには気になりません。
また、ファイブテンのシューズ全般に言えることですが、イタリアメーカー(スポルティバ、スカルパ)に比べると作りがやや粗雑で、寿命も短い気がします(私の経験上の感想です)。

初心者おすすめシューズ2:フォース

メーカー:スカルパ

参考価格:14,000円(+税)

〇 特徴
スカルパはイタリアの伝統あるシューズメーカーで、しっかりした作りには定評があります。フラット・ストレートタイプ、2本締めベルクロと、エントリーモデルの基本を押さえたクセのないデザインで、どんなタイプの課題にも対応可能。ミッドソールを甲部まで延長して靴全体の剛性を保つという「Vテンションシステム」を採用しており、長い期間履いてもへたりが少なく、長持ちしそうです。また、ラバーには上位モデルにも採用されているビブラム XSグリップ2が使われ、フリクション性能も悪くありません。

× 欠点
エントリーモデルとしては価格がやや高めなのが残念です。ソールのビブラムXSグリップ2は性能は良いですが、厚さが3.5mmとやや薄めのため、ソールのつま先が減るのは早いでしょう。

初心者おすすめシューズ3:タランチュラ

メーカー:スポルティバ
参考価格:14,000円(+税)

〇 特徴
日本国内ではファイブテンと人気を二分する人気クライミングシューズメーカー、スポルティバのエントリーモデルです。上で紹介している2モデルと同じく、フラット、ストレートトウ、2本締めベルクロと、初心者におすすめできるモデルの特徴を備えています。ファイブテンのシューズが窮屈で合わない人でも、スポルティバシューズは楽に履けることがあります。また、これは経験上ですが、スポルティバの製品は、ファイブテンより長持ちすることが多いようです。その点でもおすすめできます。

× 欠点
ソールのラバー「FriXion RS」は、ファイブテンのステルスC4や、スポルティバの上位モデルに採用されている「ビブラムXS」に比べて、フリクション(摩擦)性能が落ちるようです。価格が少し高めなのも惜しい。

初心者おすすめシューズ4:デュランゴVCR

メーカー:レッドチリ

参考価格:9,500円(+税)

〇 特徴
税込みで10,260円という低価格が最大の特徴。初心者用としての作りのポイントはしっかり押さえています。

× 欠点
取り扱っているショップが少ないことです。レッドチリは、モンベルが販売代理店になっているのでモンベルのショップに行けば置いてある可能性は高いでしょう。また、ソールのフリクション性能はあまり良いとは言えません。

初心者おすすめシューズ5:スパイア

メーカー:ファイブテン

参考価格:11,000円(+税)

〇 特徴
足先まで締められるレースアップなので、各自の足の状態に応じて快適な密着感を得ることができます(ただしそのためには、毎回しっかりと紐を締めることが必要です)。クライミングシューズの中では、履き心地が普通の靴に近くて非常に履きやすく、値段もリーズナブル。それでいて、ソールのラバーには「ステルスC4」が使われているので、初心者が使って不満が出ることは少ないでしょう。

× 欠点
レースアップタイプの宿命として、トウフックはやりくくなります。脱ぎ履きはやや面倒です。また、デザインがちょっと古くさいので、それが気になる人はいるかもしれません。
ファイブテンの天然皮革を使ったシューズに共通する欠点として、革の色落ちが非常に激しく、足、または靴下に色が移ります。このあたりのおおらかさ(製品づくりの雑さ)は、アメリカメーカーだなあ、という感じがします。

他のクライミングシューズメーカーは?

クライミングシューズメーカーは、他にもたくさんあります。イボルブボリエール、マッドロックなどは、古くからあるシューズメーカーです。最近は、オーツンアンドレア・ボルドリーニといった新興勢力のメーカーもあります。また、クライミング用品では大手のブラックダイヤモンドが、新たにクライミングシューズを発売する予定です。

私もすべてのシューズを試しているわけではない(というより履いたことのないシューズが大部分)ので、これらのシューズメーカーの製品の中にも、初心者向けの良いモデルがあるかもしれません。最初に書いた3つのポイントを念頭に、自分にぴったりのモデルを探してみてください。

初心者には悩ましいサイズ選び

最後に、初めてクライミングシューズ選びをする人がよく間違える「サイズ選び」について解説しておきます。

以前も書きましたが、クライミングシューズは、「歩くための靴」ではなく、「登るためのサポーター」のようなものだと考えた方がよいものです。そのため、ホールドに乗って激しい動きをしてもずれたりしない、足の力をホールドにしっかり伝えてくれるように、ぴったりと密着するキツめサイズを選ぶのた王道です。このサイズ選びでは、最初は少し痛いのですが、履きながら慣らしていきます。

しかし、まったくの初心者の場合、その正しいサイズでは、痛くて我慢できないことがよくあります。これは、シューズの形が合っていない場合もありますが、密着させて使う「登るためのサポーター」的なシューズを履いたことがないので、慣れていないという理由が大きいのです。

そして、普段履いている「歩くための靴」は、痛くないことが当たり前なので、その感覚で選ぶと、どうしても「登るためのサポーター」としては大きすぎるサイズを選んでしまうのですね。

速く上達するためのサイズ選びとは…

そのため、「多少痛くても我慢して正しいサイズのシューズを選びなさい」というアドバイスをする上級者もいます。ショップの店員さんでが「クライミングシューズは、多少は痛くても我慢して履くものですよ」というようなことを言っているのを、見かけることがあります。

それも一理あるのですが、私は、初心者が初めてクライミングシューズを買う場合に限っては、「痛くないことを優先して、痛くない範囲でなるべく密着するするもの」を選んだ方が良いと考えています。つまり、痛いのを無理して我慢しない方がいい、ということです。

その理由としては、初心者が登る課題には、極小スタンスに乗ったり、前傾壁を登ったりするものは少ないので、そもそもジャストサイズのシューズを履く必要性が少ないことがあります。中~上級者とは、登る課題の質がそもそも違うのだから、同じ基準でサイズ選びをする必要はないのではということです。

ジムで、いわゆる「ガバ」とか「ガバカチ」と言われるような大きなホールドにしか乗らないルートなら、微妙な足の感覚は関係ないと思います。

また、もう1つの理由として、初心者ほど登る回数(頻度)を多くすることが大切だからです。登るたびに痛いようなシューズでは、どうしても楽しく登れませんし、楽しくなければ登る回数(頻度)も少なくなってしまいます。それでは結局上達できません。

そこで、クライミング、ボルダリング初心者の方は、上に示した「3つのポイント」によってシューズを選び、さらに「痛くないサイズ」を選んでください。

そうして自分に合った一足が見つかれば、あなたのクライミングライフが飛躍的に楽しいものになることは間違いありませんよ!

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