ボルダリングの楽しさって? 5つの魅力をまとめてみた
昔はマイナー、今や人気急上昇のボルダリング
私がボルダリングを始めたのは今から8年くらい前(2008年ごろ)です。当時、ボルダリングはかなりマイナーでした。
ボルダリングができるジムの数は現在の3分の1か、4分の1くらい。また、マスメディアで取り上げられることも少なかったため、普通の人がボルダリングに触れる機会自体が限られていたのです。
現在ではクライミングジムが増え、またオリンピックにスポーツクライミングが採用されて以降、マスメディアでの露出も増え、ボルダリングが知られる機会はずっと増えました。
なにかのきっかけでボルダリングの存在を知ったり、友だちから誘われたりして、ちょっと興味はあるけど、やってみようかどうかなんとなく迷っている人も多いと思います。
今回は、そんな方に向けて、ボルダリングの楽しさはどんなところにあるか、私が考えるボルダリングの魅力をまとめてみました。なお、以下で説明するのは主にインドア(ジム)でもボルダリングについてです。
<魅力1>仲間と一緒に盛り上がれる!
とくに若い人たちの間でボルダリング人気が急に伸びているのは、「みんなでワイワイと盛り上がりながら楽しめる」という魅力が知られてきたことが、もっとも大きな理由ではないでしょうか。
プレイヤーと観戦者がすぐ近く
ボルダリングで登るのは、高さ4~5メートルの岩や壁。だから、登っている人と、見ている人の距離がすごく近いのです。
登っている人は、仲間のすぐ目の前でトライできるし、見ている人は、間近で応援の声をかけられます。「あのムーブ、難しそう」とか、「次のホールド遠いなあ」と思えば、見ている方も「ガンバ!」の声が自然に出てきますし、登れたら「やったー!」とグータッチ、登れなければ「あー残念」と、一緒に苦笑い。そんな一体感が味わえるところが、他のスポーツにはあまりない、ボルダリングの大きな特徴です。
仲間との手軽な競争
一緒にムーブを考えたり、応援をしたりということはあっても、登るのはあくまで一人ずつ。頼れるのは自分の力だけです。だからこそ、仲間と競い合う、競技の感覚が楽しめます。友だちみんながトライしてだれもできなった課題を、自分が1番で登れた時は、思わず「やったー!」とガッツポーズを決めたくなります。
逆に、みんなができている課題が自分だけできない……。そんなときは、コソ練して上手くなってやる、と心に誓うものです。そうやって、ボルダリングにはまっていくのですね。
婚活や出会いイベントでも使われる
この「一緒に盛り上がれる」というボルダリングの特徴を利用して、婚活パーティや、出会い系のイベントがボルダリングジムで行われることも、最近は増えているようですね。「街コン」と似たような、「ボルダリングコン」がたくさん開催されています。
競技として、あるいは外岩での困難な課題を落とすことを目的に真剣にボルダリングに取り組んでいる人からは、ちょっと不純に見えるかもしれませんが、普通に遊びとして楽しむのであれば、ついでに彼氏、彼女ができることを期待してそういうイベントに参加してみるのもいいかもしれません。
最初からナンパ目的はNG
ただし、普通にジムで遊んでいる女性に、出会い目的でいきなり声をかけたりすることは控えた方がいいでしょう。
もちろん、同じジムにいつも通っていれば、顔見知りになり、挨拶したり「ガンバ」を送ったりしているうちに自然に親しくなり、そこから友人、そして恋愛関係になることもあるとは思います。実際、そうやってジムで知り合って結婚までたどり着いたカップルも、たくさん知っています。
しかし、最初から露骨にそれを目当てにするのは、むしろ白い目で見られるのが普通です。これは、常識的に考えればわかりますね。男性も女性も、出会いを目的にジムに来ているのではなく、登るために来ているのですから。
<魅力2>レベルにあった達成感を得られる!
多くのボルダリングジムでは、10級、9級、8級……と、課題の難しさが段階的に設定(グレーディング)されています。そして、10級なら10級と、同じグレードに、いくつもの異なる課題が用意されています。
そのため、はじめたばかりの初心者でも、1、2年と続けてだいぶ登れるようになった時でも、「段」を登るような上級者になったときでも、常に自分のレベルに見合った適度な目標があり、それを登れることで「できた!」という達成感が得られます。
この「できた!」という達成感が手軽に得られるところも、ボルダリングが「はまりやすい」理由の一つでしょう。
パズル的な「解けた」という喜びも
この「達成感」は、単に身体的な面だけではありません。
というのも、ボルダリングでは、どのようなムーブ(手順、動き)で登るのかが重要で、最初に思いついたムーブではすごく難しく思えた課題が、手順や足順を変えてみたら簡単に登れた、というのはよくあることなのです。
このときの、「わかった!解けた!」という喜びも、大きな達成感になります。謎解き的な楽しさですね。
<魅力3>自分のペースで適度な運動ができる!
壁の傾斜や課題の種類にもよりますが、ボルダリングは、けっこう全身を使う(上半身が中心にはなりますが)運動です。
しかし、「どんな課題を、どれだけやらなければいけない」と決められていることは一切ありません。前傾した壁の腕でぶら下がるような課題だけをやってもいいですし、傾斜が緩い(スラブ)壁の足で立ちこむ課題だけをやってもかまいません。
ジムに来て、2、3課題を登って「疲れたな」と思ったら、20分でも30分でも休んでいたってかまいませんし、逆に、休みなくどんどん登り続けて、1時間で帰ってもいいのです。
自分のペースで、好きなようにできるところも、ボルダリングの魅力です。
<魅力4>1人でも楽しめる!
仲間と一緒にワイワイ楽しむことが好きな人もいれば、人と交流することはあまり好みではなく、静かにひとりで楽しむことが好きな人もいますよね。それは人それぞれの個性です。
そして、1人だけでも楽しめることもまた、ボルダリングの魅力です。
ボルダリングジムには、1人で来て、だれとも話さずに黙々と登っている人もたくさんいます。仲間との交流がなくても、前回はできなかった課題ができれば、自分の中で大きな満足が得られます。また、自分の好きなペースで適度な全身運動ができるのは、心身ともにリフレッシュできて、とても気持ちが良いものです。
一緒にボルダリングを楽しめる友達がいない人でも、「1人でクライミングジムに行ったら変かな。楽しめないかな」などと考える必要はまったくありません。むしろ、自分のペースで取り組めるという点では、1人の方が向いている面もあります。
また、本当は人と一緒に盛り上がりたいんだけど、周りにはボルダリングに興味を持つ人がいない、という人も、心配無用。同じボルダリングジムに何度か通ううちに、アドバイスや応援をしあったりする顔見知りは必ずできてきます。仲間と一緒に行けなくても、ジムで仲間を作ることもできるのです。
<魅力5>安く手軽に楽しめる!
いま、クライミングジムの数は急増しています。これは東京、大阪をはじめとした大都市圏では、職場や家の近くで探せばたいていクライミングジムがあります。多くのジムは午後11時くらいまで営業しているので、仕事帰り、学校帰りでも、手軽に立ち寄ることができます。
ボルダリングに必要な道具はシューズとチョークですが、それもジムで貸してもらえますので、動きやすい服装さえしていれば、手ぶらでジムに行っても登れるのです。
また、ジムの料金システムの基本は、「1回いくら」なので、行けるか行けないかわからないのに、月会費などを支払う必要もありません。
こういった点では、フィットネスジム、スポーツクラブなどより、よほど手軽かもしれません。
道具にかかる費用も安い
さらに、ボルダリングが気に入って続けて行こうと思ったときでも、自分で買うべき道具は、クライミングシューズ(1万円~2万円程度)とチョーク(1000円程度)だけです。
他のスポーツと比べても、道具にかかる費用がかなり安く済むことも、ボルダリングの魅力かもしれませんね。
まずは、やってみよう!
いかがですか? ボルダリングの楽しさ、魅力が少しは伝わったでしょうか? しかし、身体を動かす活動ですから、文章だけではその魅力はどうしても伝えきれません。
少しでも興味を持たれたら、ぜひ一度、近所のジムを探して、行ってみてください。きっとここに書いてあることが、理解していただけるはずです。