日本初!ボルダリングをテーマにした映画「笠置ROCK!」
日本初となる、ボルダリングを素材とした映画が登場するようです。
舞台は良質の課題が多いことで知られ、人気の高い「笠置」の岩場(京都府笠置町)。タイトルはそのものずばり、「笠置ROCK!」。
「売れないロックミュージシャンが道具を使わずに壁を登るボルダリングの大会「ロックフェス」を音楽祭典と間違え、木津川の岩場がボルダリングの聖地になっている同町を訪れてヒロインやライバルと出会い、競技に打ち込む青春物語」(「京都新聞」平成28年12月8日記事より)だそうです。
「笠置ROCK!」のROCKは、ロックミュージックのロックと、ロッククライミングのロックとをかけた言葉のようですね。
いままでにも『岳』など、山岳や登山をテーマにした映画はありましたが、フリークライミング、中でもボルダリングをテーマとした邦画は、初めてのはず。
映画製作の背景には、ボルダリングの町として、知名度を上げたい笠置町の後押しがあるようです。
これまでは観光資源として見られることが少なかった「岩場」が、クライミングを通じた町おこし、村おこしの材料となることの好例として、ぜひ同映画には大成功してもらいたいですね。それは岩資源の乏しい日本における、クライミングの未来も明るくしてくれるはずです。
ヒロインに、クライマーの大場美和さんが抜擢!
主演は古舘伊知郎さんの息子でミュージシャンの古舘佑太郎さん。そして、ヒロイン役に抜擢されたのが、クライマーの大場美和さんです。
少し前に、制服姿の女子高生が、校舎の外壁を登って教室に入るCMがネット上で話題になりました。覚えている方も多いでしょう。
あのCMで、外壁を登っていた女子高生が、なにを隠そうこの大場美和さんだったのです。
大場さんは、1998年生まれ。この3月まで実際に高校生でした。この2016年4月からはフェリス女学院大学文学部に在学中。大学で勉強する一方で、スポーツビズに所属し、企業からスポンサードも受けているプロアスリートとしての顔も持っています。二足の草鞋ならぬ二足のクライミングシューズを履いている、トップクライマーです。
大場美和さんのブログ
MIWA-WALL~我が家のクライミングルーム
クライマーとしては、2015年に、第70回わかやま国体・山岳競技(少年女子)で優勝、IFSCクライミング・アジアユース選手権(ボルダリング、リード種目)で優勝などの輝かしい実績を持ち、若手クライマーとしては日本でもトップクラスの実力。
2020年東京オリンピックの代表選手に向けた有力候補のひとりであり、活躍が期待されています。
少し心配もありますが、いずれにしても完成が楽しみです
大場さんが登るのであれば、この映画のボルダリングシーンの素材は、間違いなく素晴らしいものになるはず。(しかし、役者としての演技の方は、どうなんでしょうね? ちょっと心配でもあります)。
あとは、ボルダリングの持つ楽しさ、ムーブの難しさやフォールの怖さ、登れた時の感動、そういったものがどんな風にスクリーン上に表現されるのか……。クライミングファンとして、興味津々です。
また、笠置の岩場を舞台とするなら、アウトドアの岩を登るボルダリングになるはずですが、記事には、「ボルダリングの大会」「競技に打ち込む青春物語」とあり、競技ボルダリングが素材になるような雰囲気です。
同じ「ボルダリング」と言っても、アウトドアでのそれと、インドアでの競技(コンペ)のボルダリングとでは、スタイルも、クライマーの力点の置き方もだいぶ違うので、そのあたりがどうなるのか、心配なような、楽しみなような感じです。
【全解説】スポーツクライミング競技(3)ボルダリング種目:東京オリンピック
いずれにしても、映画は来年の2月に完成予定とのことですので、期待して待ちましょう。
<追加情報>
『笠置ROCK!』クラウドファンディングの情報を以下の記事で追記しました。
女子大生クライマー大場さんがヒロイン 映画「笠置ROCK!」
(『京都新聞』平成28年12月8日記事より)