【初心者必見!】あなたはまだクライミングシューズを買ってはいけない
初心者がクライミングシューズ、ボルダリングシューズを選ぶのは難しい
ボルダリングをはじめたばかりの初心者は、ジムでレンタルシューズを借りて登ると思います。中には、友だちや先輩から中古のシューズを譲ってもらう人もいるかもしれませんが、例外でしょう。
しかし、ボルダリグジムに数回行って、「すごい楽しい!」「また登りたい!」「続けて来たい!」と思うと、つまりボルダリングにハマると、自分のクライミングシューズが欲しくなってきます。(ちなみに、ボルダリングで履くシューズは、ボルダリングシューズと呼ばれることもありますが、普通はクライミングシューズと呼びます)。
また、マイシューズを買えば毎回払うシューズのレンタル料も払う必要がなくなるので、長く続けるなら買った方が得だと感じるかもしれません。
でも、ちょっと待って下さい! あなたは、まだクライミングシューズ、ボルダリングシューズを買ってはいけません。
なぜなら、クライミングシューズはたくさんのメーカーから、多くの種類の製品が発売されています。その多くの製品の中から、数回しかクライミングをやったことがないビギナーが自分に合ったクライミングシューズを選ぶことは至難の業だからです。
つまり、失敗してお金を無駄にしてしまう可能性が高いからです。
なぜクライミングシューズ選びは難しいのか
では、どうして初心者は自分にあったシューズを選ぶことができないのでしょうか?
クライミングシューズは「靴」ではない!
クライミングシューズは、「シューズ(靴)」という名前がついてはいますが、普通のスニーカーのように、歩くためにデザインされた靴ではありません。岩や壁を登るために特化した「道具」であり、いわば「岩登り用サポーター」とか「足用グローブ」のようにとらえた方が正しいものなのです。
ところが、シューズという名前であるため、初心者は、どうしても普通の靴を選ぶようなやり方で選んでしまいがちです。たとえば、ショップで試着して少し歩いてみたりして履きやすさやサイズ感を確認しようとしてしまいます。
しかしこれが失敗のもと! こういうやり方では、正しいクライミングシューズ選びは絶対できません。繰り返しになりますが、クライミングシューズは登るための道具ですから、歩きやすさはまったく関係ないのです。
他のスポーツの例で考えてみると
クライミングシューズをスポーツの専門的な道具だと考えてみれば、ビギナーのうちは自分にぴったりあった道具がどういうものなのか、正しく選ぶことができないのも当然です。
他のスポーツの道具の例で考えてみるとわかりやすいかもしれません。
たとえば、スキーやスノボの板には、長短、幅など、いろいろなタイプのものがありますよね。スキーやスノボを2,3回しかやったことのない人が、それら多くの種類の中から、自分にあった板を自分で選ぶことは無理ですよね。他のあらゆるスポーツの道具でも、同じでしょう。
それと同じことです。
クライミングシューズの特徴
クライミングシューズは「登るために特化した道具」で、歩くための機能はまったく考えられていません。その特徴をくわしく見てみましょう。
クライミングシューズにもさまざま種類がありますが、現在使われているものはだいたい共通して、次のような特徴を持っています。
・靴底は、本体生地とシャンク(芯材)、薄いラバー(ゴム)のソールだけで、クッション(衝撃吸収)性はまったくない。
・ソールに使われているクライミングシューズ専用ラバーは、柔らかくて摩擦抵抗力がとても強いが、すり減りやすい。
・ソールには溝や凸凹がなくて、真っ平(そのため、クライミングシューズのことを「フラットシューズ」と呼ぶこともある)。
・足とぴったりとフィットするデザインで、足とシューズとの間に「遊び」がまったくない。
どうですか? こうして並べてみるだけで、いかにも歩くことには向いていなさそうでしょう。
このように、私たちが普段履いている「シューズ=靴」からイメージするのものとクライミングシューズとは、まったく違うものなのです。
レンタルシューズのサイズ選び、履き方にもコツがある!
レンタルシューズを履く場合も、気を付けた方がいい点があります。
ビギナーはクライミングシューズの窮屈さに慣れていないので、どうしてもゆるめのサイズを選んでしまいます。これは、当然のことですし、慣れないうちはそれでOKです。
しかし、4、5回くらいボルダリングを経験して少し慣れてきたら、同じレンタルシューズでも、0.5サイズ~1サイズ小さいものを選んでみましょう。
そして、ゆるめのシューズと、サイズを下げたシューズとを履き比べて、登るときの足の感覚がどう違うか、登りやすさ、登りにくさを意識してください。
とくに、「カチ」や「ジプス」と呼ばれる、小さいホールドや、滑りやすそうな斜めホールドに乗るときの足裏感覚を意識しましょう。
つまり、クライミングシューズの「壁を登る道具としての使いやすさ」を意識的に感じるようにするのです。
そうすると、なんとなく「これくらいのサイズだと登りにくい。使いにくい」といったことがわかってくると思います。そうするうちに、自分にあったジャストサイズがどれくらいなのか、サイズ感もわかってきます。
マイシューズを買うのは、8~10回くらいレンタルシューズで登ってから
そういうことを繰り返して、(人によっても違うでしょうが)少なくとも8~10回くらいは、レンタルシューズで登り、サイズも変えてみて、「クライミングシューズを道具として使う感覚」を覚えていきましょう。
その感覚が多少でもわかってからマイシューズを買っても、決して遅くありません。というより、失敗しないクライミングシューズ選びをしたいのなら、ぜひそうするべきだと思います。
そして、「よし、自分はだいぶレンタルシューズで登ったし、そろそろマイシューズを買いに行こう」と思ったら、次の記事もあわせて読んでみてください。